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23年の現役生活を支える
木田優夫のポリシーとは。 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byKoji Asakura

posted2009/03/12 00:00

23年の現役生活を支える木田優夫のポリシーとは。<Number Web> photograph by Koji Asakura

 日大明誠高からドラフト1位で巨人に入団してから、今年で23年目。最近、流行の「アラフォー」と呼ばれる選手のひとりに、ヤクルトの木田優夫がいる。巨人を皮切りに日米6球団に在籍し、通算66勝を挙げた右腕である。

 長年、現役を続けられた理由は「目立たず、騒がず、そこそこの結果を」ということをモットーにしていたからだ、と言っていた。エースになると毎年結果を求められるし、高年俸になれば真っ先に自由契約の対象に選ばれる。「活躍もせず大きな失敗もない風よけ人生が、長い現役の秘訣」と謙遜するが、40歳を越えた今も、ストレートは衰えを見せていない。

 木田のフォームを評してヤクルトの高田繁監督は「無駄な力の抜けた力みのないフォーム」と絶賛している。その右腕から繰り出される速球は、未だに140km台をマークしているのだ。

 沖縄のキャンプ地で会った時に「先発でもリリーフでも、いつでもいけるように、準備だけはしている。都合のいい男と言われているうちは華」と話していたが、その言葉通りベテラン特有の気負いは感じられなかった。

 そんな木田に先発の機会が回ってきたのは2月20日に行われた韓国・SKとの練習試合である。4回を1安打無失点に抑え、高田監督から「先発6番手は合格」というお墨付きをもらったのだ。

 「次の就職先のためのアピール」と笑っていたが、韓国球界と縁が深いヤクルトで、こんなコメントを出せる頭の回転の速さに、思わずうなってしまった。

 すっかり若返った投手陣の中で、若手からは「鉄人」と言われ慕われているが、ここでも「目立たないこと」をポリシーにしている。聞かれたらなんでも教える。しかし、自分からはあえてアドバイスをしないのが、木田らしい。

 阪神の下柳剛や、中日の山本昌ら、アラフォー世代へのライバル心はあるのか? と聞くと「負けまいとするから力が入る。少しでも長く一緒にやろうという気持ちですね」と予想通り肩の力が抜けた返事が返ってきた。

 横浜からFA移籍をした相川は「体は元気だし、隠居するのは早すぎますよ、とハッパをかけている」と言う。年齢と共に味わい深さを増してきたベテランが、今年のヤクルトを牽引する。

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