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リーグMVP男が抱く
人生究極の目標とは。
~レブロン・ジェイムスの凱旋~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2009/05/25 06:00

リーグMVP男が抱く人生究極の目標とは。~レブロン・ジェイムスの凱旋~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

 5月に入って間もないある午後、レブロン・ジェイムス(クリーブランド・キャバリアーズ)は愛車フェラーリに乗り、クリーブランド郊外の故郷、アクロンを走っていた。

 目的なくドライブしていたのではない。子供の頃に住んでいた家の前を通り、仲間とバスケットボールをしていたプレイグラウンドの横を通り、かつて歩いて通っていた道を走りながら、自分のルーツをたどっていた。生まれたときから父親を知らず、貧困の中、母の手ひとつで育ててもらったこと。仲間やバスケットボールに助けられたこと。その仲間と同じ高校に進み、バスケットボールを純粋に楽しんでいたこと。そんな、過去の日々を思い出しながら、母校セントビンセント・セントメアリー高校に向かっていた。

NBA入りの夢を果たし、ついにリーグMVPへ。

 この日、高校の体育館ではジェイムスのリーグMVP受賞記者会見が開かれた。ホテルやアリーナではなく、高校の体育館で記者会見を行なったのは、ジェイムスたっての願いによるものだった。

「ここは僕のすべての夢が始まり、そして夢を実現できると思うようになったところだ。これ以上ふさわしい場所はない」とジェイムスは語った。

 その頃の夢はNBAに入ることだった。高校卒業と同時に夢を叶えたジェイムスは、プロ6年目の今季、平均28.4点、7.6リバウンド、7.2アシストとオールラウンドな能力で周囲を圧倒。キャブスをリーグ最高の66勝16敗に導き、初のリーグMVPに選ばれた。

「個人への賞賛は、チームが成功しているときに起こるものだ」というジェイムスは、壇上にチームメイト全員を呼び、感謝の気持ちとしてカメラを贈った。

スーパースターの究極の目標とは?

 ジェイムス自身はMVPを夢だと思ったことは一度もなかったという。個人よりチームや仲間、そして家族。それが、子供の頃から変わらぬ彼の姿勢だった。

 NBAに入る夢が叶った今、次の夢はNBA優勝だ。プレーオフで好調に勝ち続けるキャブスを見ると、その夢が実現するのもさほど遠い日ではなさそうだ。

 ところで、ジェイムスはこの会見でもうひとつ、人生における究極の目標を明らかにした。それは「2人の息子にとって最高の父親になること」――。

 超人的な能力を持つスーパースターの、とても人間的な目標だった。

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