SCORE CARDBACK NUMBER

カメロが追いかける
“兄貴分”のたどった道。
~コービーから学んだチームプレイ~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2009/06/05 06:01

カメロが追いかける“兄貴分”のたどった道。~コービーから学んだチームプレイ~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

 思えば、この2人にはどこか通じるところがあるかもしれない。ロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアントと、デンバー・ナゲッツのカメロ・アンソニーのことだ。

 5月25日現在、2人のチームはウェスタン・カンファレンス決勝で対戦中。シリーズが始まる前日に、カメロがコービーを「友達」と呼ぶと、コービーもカメロを「弟のような存在だ」と応えた。

 5月末に25歳になるカメロと30歳のコービー。5歳半の年齢差があり、2年前までお互いのことをほとんど知らなかった2人が親しくなったのは、米代表のチームメイトとして、米大陸予選と北京五輪を戦ってからだった。

身勝手なカメロに過去を重ねたコービー。

 少し前まで、カメロに対する評価はあまり高くなかった。同期のレブロン・ジェイムスらがリーグを代表するスーパースターと賞賛される一方で、カメロは自分勝手なスコアラーと批判された。自分の能力に自信があるがゆえに判断を誤り、失敗し、コーチともよく衝突した。

 コービーも若い頃には似たような道をたどった。自分を過信し、チームメイトを信じられず、コーチやチームメイトと衝突。チームの中で自分の能力をどう生かしたらいいかを本当に理解するようになったのはこの数年のことだ。米代表の活動の合間に、そんな経験談をカメロに話したことは想像に難くない。

カメロを成長させたチームプレイの精神。

「オリンピックの経験で学んだことは、我慢強くあれということだ」とカメロは言う。「バスケットボールはチームスポーツであり、ワンマン・ショーではない」

 それを理解した今季のカメロは目に見えて変わった。オフェンスだけでなく、ディフェンスやリバウンドにも手を抜かなくなった。そんな彼の成長に伴うようにチームも万年1回戦負けを脱し、カンファレンス・ファイナルに進出した。

 シリーズ中、ここ一番という場面ではカメロがコービーを、コービーがカメロをマークする場面も見られる。記者から「コービーにマークされると余計にやる気になるか」と聞かれ、カメロは言った。

「前はそうだった。前ならチャレンジを受けて立っていた。コービーは、僕が無理にシュートすることを期待しているだろうけれど、それだけはやりたくない」

 このコメントには、コービーも敵ながらカメロを誇りに思ったことだろう。

■関連リンク► コービーが足下で示したさらなる挑戦への姿勢。
► コービーの言葉が招いた、レイカーズの精神的成長。

関連キーワード
カメロ・アンソニー
コービー・ブライアント
デンバー・ナゲッツ
ロサンゼルス・レイカーズ
NBA

ページトップ