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J2観戦で味わう、
逸材を見つける楽しみ。 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

PROFILE

photograph byAFLO

posted2009/05/07 12:30

 今年序盤のJリーグは関東圏での試合日程がうまくズレて、J1だけでなく、J2も結構カバーできている。

 当たり前のことだが、J2は個人としてもチームとしても、J1に比べてレベルが落ちる。コンパクトな布陣を装ったクラブは多いが、実体はかなりルーズ。前半はにらみ合いで終わったかと思えば、後半はミスの応酬でめまぐるしく攻守が入れ替わったりしてしまう。概してシュートになかなか至らないという点では、前後半に大差はないのだが。

J2の攻撃的ポジションには大器がいる。

 しかし、そんななかに埋もれることなく、頭角を現してくる選手はいる。そしてまた、彼らが攻撃的なポジションの場合は特に、J1で十分通用することも分かってきた。

 例えば、石原直樹(大宮)。昨年湘南で18ゴールを挙げたストライカーは、クラブでのJ1昇格は逃したが、今年“ひとり昇格”を果たした。6節終了時点でナビスコカップと合わせ、早くも4ゴールの活躍を見せている。

 大島秀夫(山形→横浜、現新潟)、佐藤寿人(仙台→広島)あたりの成功以来、ひとり昇格はJ1への戦力供給源として確実に定着してきた。

 では、今年のJ2はどうだろうか。

 やはり真っ先に思い浮かぶのが、C大阪の2列目コンビ、香川真司と乾貴士。監督のレヴィー・クルピが「歴史に残る活躍をするはず」とベタ褒めするのもあながち大袈裟ではないが、すでにA代表にも選出され、新鮮味には欠ける。

ベガルタ仙台の2列目コンビに大注目。

 そこで挙げたいのが、こちらは仙台の2列目コンビ、梁勇基(リャンヨンギ)と関口訓充(くにみつ)である。梁は高い技術と冷静な判断が際立つオールラウンダー。関口は巧みな緩急の使い分けとフェイントで、爆発的なスピードを生かすドリブラー。ともに、すぐにでもJ1で通用するだろう。

 もちろん、彼らの最大目標は、昨年の入れ替え戦で逃したクラブでのJ1昇格。だが、仙台サポーターには申し訳ないが、ひとり(ふたり?)昇格でもいいから、早くJ1でのプレーを見てみたい素材だ。

 正直、J2には低調な試合が少なくない。しかしこのなかに、いずれJ1を盛り上げる選手が必ずいる。そんな視点で見ていると案外におもしろく、ときにはJ1を蹴ってでも、J2の会場に足を運んでしまうのである。

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