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レイデオロに天皇賞をもたらした、
藤沢和雄とルメールの“勝負勘”。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa
posted2018/11/02 16:30
10月28日、天皇賞(秋)の勝利を喜ぶ藤沢和雄調教師(左)とクリストフ・ルメール騎手。
年齢での定年まで3年少々。
結果、前半59秒4、後半57秒4という明らかなスローの上がり勝負で、2着馬の方が速い脚(33秒4)を使いながらも、1と1/4馬身もの差をつけ楽勝してみせたのである。
もっとも、レイデオロの上がりは33秒6で、自身2度目の33秒台で走ってもいた。実は瞬発力勝負になっても大丈夫だったのでは?と思える数字を叩き出したのだから、文句のつけようのない競馬だったという事だろう。
さて、そんな名馬を育てた藤沢だが、冒頭に記したように定年はあと3年少々に迫っている。
「もうカウントダウン。早くゆっくりしたいよ」
口ではそう言うが、競馬に対する姿勢や愛馬達に向けた言葉を聞くと、とてもそれが本心とは思えない。
今年の勝ち星は10月28日現在で45。関東リーディングトップであり、全国でも2位の数字である。果たしてこれほどの名調教師を、紋切り型に年齢だけで辞めさせて良いのだろうか。再考の余地があるのではないだろうか。