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ストレートの伸びがまるで漫画!
金足農・吉田輝星に鹿実打線が驚嘆。

posted2018/08/08 17:00

 
ストレートの伸びがまるで漫画!金足農・吉田輝星に鹿実打線が驚嘆。<Number Web> photograph by Kyodo News

14三振を奪い1失点完投の金足農・吉田輝星。今大会随一の右腕との噂は伊達ではなかった。

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Kyodo News

「ワンバンするぐらいのボールがストライクになった」

 まるで漫画の中のセリフのような感想をもらしたのは、2三振を喫した鹿児島実業の5番・岩下丈だ。

 今大会、ナンバー1の呼び声が高い本格派右腕がついにベールを脱いだ。金足農業の吉田輝星だ。鹿児島実業は試合前から吉田の球質を相当、警戒していた。

 鹿児島大会で打率.524と当たっていた4番の「西郷どん」こと西竜我はこう話していたものだ。

「今まで対戦したピッチャーの中でいちばん速いのは146キロくらい。球速だけでいったら、そんなに変わらないんですけど、吉田君は今までのピッチャーとはボールの伸びが違うな、という気がします」

バットを短く持ち、プライドを捨てた。

 西が話す「いちばん速い」ピッチャーとは、ゴールデンウィークに対戦した宮崎学園の源隆馬である。プロ注目の本格派右腕で、九州ナンバー1とも評されている投手だ。鹿児島実業・宮下正一監督の話だ。

「源君に3安打完封ぐらいで抑え込まれて。でも、そこからうちのバッターも変わったんですよ。これくらいのピッチャーを打てないと甲子園では勝てないんだと。そのあと140キロくらい投げるピッチャーと対戦したら、遅く感じましたから」

 西は吉田対策としてこんなことを考えていた。

「実際に打席の中でボールを見て、バットを短くするなどして対応していきたい」

 西はこれまでバットを短く持ったことがないという。そのプライドを捨てる覚悟をすでにしていた。

【次ページ】 「ストライクと思ってもぜんぜん高め」

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