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ホームランと奪三振だけじゃない!
大谷翔平が全米で“So cute!”な理由。
posted2018/04/09 12:00
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
AP/AFLO
「オータニは本物だ」
「オータニのDNAテストをしよう。多分、人間じゃないと思う」
8日、大谷翔平がエンゼルスタジアムのオークランド・アスレチックス戦での投手としての本拠地デビュー戦で、次々と相手バッターを打ち取ると、賛辞の言葉がSNSを埋め尽くした。
6回までに11三振を奪い、走者を出さないパーフェクトピッチ。大谷を見ようとスタジアムに駆けつけた4万4742人の観客の度肝を抜くようなパフォーマンスを見せた。7回に走者を出したが得点は許さず。12三振を奪い、2勝目を挙げた。
開幕以降、大谷が打席に入るたび、マウンドに立つたびに、野球ファンの興奮ボルテージが高まっている。
「しばらく野球を見ていなかったけれど、オータニの試合は全部見ようと思う」
「今季はオータニを見る」
海を渡った日本人選手が、アメリカ人ファンの心を大きく揺さぶっている。
大谷のメジャー挑戦を理解できなかった米国ファン。
昨年のオフシーズン、大谷はアメリカの野球関係者やファンの間で大きな話題になっていた。
“二刀流”という異色さだけではない。大谷が契約金の額に関係なく、メジャーへの移籍を希望したからだ。
2016年オフの新労使協定で、25歳未満でドラフト対象外の外国人選手の契約金上限は575万ドル(約6億円)という、いわゆる「25歳ルール」が設けられた。そのため大谷の契約金は、ポスティングを使った過去の日本人選手と比べてかなり低くなることが予想された。
「25歳になってからメジャーに来ればいいのに」
「急がなくてもいいのに」
ファンだけではなく、メディアからもこんな声が相次いだ。
日本のファンは大谷が高校時代からメジャー志向を持ち、高校卒業後にメジャー挑戦を希望していたことも知っている。しかしアメリカではそういった報道は少なく、また多くの野球選手が多額の契約金を求めて移籍する現状もあり、「もう少し待てばもっと大金を得られるのに。なぜ焦るんだろう」という声が多く出たのだろう。