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タフな南米遠征初戦で敗戦の森保J。
A代表経験、初瀬亮が言う「ヌルさ」。

posted2018/03/23 17:00

 
タフな南米遠征初戦で敗戦の森保J。A代表経験、初瀬亮が言う「ヌルさ」。<Number Web> photograph by AFLO

フィジカルに優れるチリ相手に臆することなく戦った初瀬。厳しい日程の遠征で得るものは多そうだ。

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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 U-21チリ戦の翌日、チーム屈指のムードメーカーである初瀬亮に、笑顔はなかった。

 チリ、ベネズエラ、パラグアイと中1日で戦うパラグアイ遠征。森保一監督が率いるU-21日本代表は押し気味にゲームを進めながら、守備陣にミスが生まれて75分、90分に失点し、0-2と黒星スタートになった。

 こうした結果とは裏腹に、右ウイングバックとして出場した初瀬自身のパフォーマンスは、及第点以上の出来だった。何度も放り込んだクロスは、どれかが得点に結びついてもおかしくないほど際どいコースを突いていた。

 そのプレーは、35時間の移動、12時間の時差を感じさせないほど精力的だったが、それでも初瀬は満足していなかった。

「焦りというか、ヌルいと感じたし」

 抱いていたのは、焦りであり、危機感だった。

「自分個人としては良いパフォーマンスを出せたと思います。ただ、あれだけ崩せていたんだから、決めなければいけなかったし、ミスから2失点したのは本当にもったいない。これがオリンピック本番で、初戦でああいう負け方をしたら厳しいと思うので、もっと危機感を持ってやらないといけないと思います。本当に時間はないと思うので、焦りというか。全体的にヌルいと感じたし、練習もなんとなくやっている感じがあって」

 初瀬の指摘するヌルさの正体とは、何か――。

「自分が声を出しても返って来なかったり、試合前のアップで笑顔が見られたり……」

 森保ジャパンが立ち上げられてから3カ月、まだ3回目の活動で、今はベースを築いている段階ではある。だが、東京五輪に向けたサバイバルはすでに始まっている。地元開催のオリンピックでメダルを獲得するためには、残された時間は意外と少なく、2年後の本番はあっと言う間に迫ってくるだろう。

【次ページ】 「良い経験では済まされない年代」

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