【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER

Bリーグ千葉、急成長の秘訣とは?
スポーツ経営も“ギブ&テイク”で。

posted2018/03/19 17:00

 
Bリーグ千葉、急成長の秘訣とは?スポーツ経営も“ギブ&テイク”で。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

参加者に対してスポーツ経営のノウハウを説く島田氏。

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島田慎二

島田慎二Shinji Shimada

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 今季、Bリーグとしては昨季対比10%増の観客動員を1つの目標として掲げてきましたが、リーグ全体で昨年9月の開幕から今年3月の入場者数が平均で10%増。各クラブが行ってきた努力が功を奏し、徐々に成果が表れつつあります。

 これまでBリーグのバイスチェアマンとして、私が最も重要だと考えていたのは、各クラブの経営に寄与するということです。昨年2月に開講した勉強会・島田塾では、私が培ってきた経営方法や哲学をオープンにし、他クラブの経営者に明かしてきました。

 当初から4つのステージに分けて考え、第1ステージでは経営とは何か、第2ステージでは集客やスポンサー獲得について説き、第3ステージでは直接クラブへ訪問し、社長だけではなくスタッフのみなさんともコミュニケーションを図りながら、都度、適切なアドバイスを行ってきました。実際に現場に足を運んでみて分かったこともありました。

 会社というものは生き物であり、心があるものなので、ルールや仕組みだけですべてを解決できるわけではありません。逆に言えば、仕組みやルールを生かすも殺すも信頼関係があってこそのもの。そのあたりの絶妙なバランスのとり方が難しいということです。

会社ごとのカスタマイズが求められる。

 第1、2ステージの座学ではそういったことも含めて普遍的な話をしてきたつもりでしたし、各クラブの社長ももちろん理解されていたと思いますが、何を取捨選択してアレンジするのか、そして、それらをブラッシュアップしていくことの重要性をあらためて痛感させられました。

 現在は第4ステージに突入し、すでに来シーズンの予算準備や経営方針、戦略に話が及んでいます。これで当初予定していた4つのステージが終わり、島田塾の初期段階篇は終了となります。

 今後求められることは、会社の特性や状況、ロケーション、経済圏などを把握した上でアドバイスするといったようなカスタマイズや、より密接な関わり方になるのではないかと見ています。

【次ページ】 ビジネスの究極は、相手の首を縦に振らせる。

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島田慎二
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