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15歳ザギトワが女王メドベデワ下す!
フィギュア欧州選手権でロシア席巻。
posted2018/01/22 17:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
ISU via Getty Images
1月21日、モスクワで開催されていた2018年欧州選手権が無事終了した。
もっとも注目されていたのは、世界女王エフゲニア・メドベデワの復帰である。メドベデワは10月のロシア杯の直前に右足の中足骨にひびが入っているとの診断を受けたが、痛み止めを飲んで挑んだロシア杯、そして11月のNHK杯で優勝。12月の名古屋GPファイナルは棄権し、この欧州選手権が復帰戦として注目されていた。
だが初タイトルを手にしたのは、同じロシアのライバル、15歳のアリーナ・ザギトワだった。
世界ジュニアチャンピオンの彼女が今シーズンシニアに上がってきたときは、平昌オリンピックの金メダリスト候補になるかと騒がれたが、それが俄然現実味を帯びてきたことになる。
ザギトワはSP、フリーともノーミスの演技を見せ、フリーでは後半で7つの3回転ジャンプを完璧に決めた。彼女が更新したパーソナルベスト、総合238.24はメドベデワが持つ世界歴代最高スコア241.31に次ぐスコアである。
それでも「今日の演技の自己評価は、5点中の4点。まだ改善すべき点があるのでコーチと話しあっていく」と厳しい自己評価を下した。
「SP、フリーとノーミスで滑ることができたのは嬉しい。欧州タイトルは嬉しいけれど、もう次を見ていなくては」と、15歳の少女とは思えないしっかりとしたコメントをした。
故障明けで、2位に終わった世界女王メドベデワ。
18歳のメドベデワは、大きなミスはなかったものの、普段の彼女ほどの完璧な演技ではなく232.86という高いスコアを出しながらも2位に終わった。
「銀は銀で、その価値を変えることはできません。でも2カ月のブレークがあったことを考えれば、悪い結果ではない」と会見で語った。