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ドラフトが象徴、球界勢力図の激変。
大物狙うパと冒険しないセに格差が。

posted2017/11/24 07:00

 
ドラフトが象徴、球界勢力図の激変。大物狙うパと冒険しないセに格差が。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

将来のスター候補を獲得できればメディアも大きく取り上げる。パ各球団の積極的な姿勢は、そこも踏まえているのかもしれない。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Takuya Sugiyama

 プロ野球の勢力図は2004年に起こった再編騒動によって塗り替えられたと言っていい。'04年5月下旬、パ・リーグの近鉄が球団売却の可能性を示唆、球界は1リーグ制に舵を切ろうとしていた。しかし選手会と一部の球団が反旗を翻し、マスコミとファンも「2リーグ制維持」の声を一斉に挙げた。

 9月18、19日には選手会によって史上初のストライキが決行され、セ・パ両リーグ6試合が中止されている。その後、近鉄に代わって楽天がパ・リーグの一員としてプロ野球界に参画し、現在も2リーグ制で行われているわけだが、この再編騒動後、球界の勢力図は一変した。

 つまりセ・リーグ優位の勢力図が塗り替えられたのである。

 再編騒動を境に関東圏のテレビから地上波中継が消え始め、巨人の神話性が薄れた。PC、スマホ、タブレットで試合を見るのが当たり前の時代になり、'05年からはセ・パ交流戦がスタート。'06年からWBC(ワールドベースボールクラシック)が始まり、日本が第1、2回大会を連覇している。ここまでの変化は本当にあっという間だった。

ここ近年は交流戦、日本シリーズともパが優勢。

 両リーグ勢力図の変化に注目すると、1リーグ制への舵取り役だった巨人の求心力低下が著しく、巨人に依存してきたセ・リーグ全体も地盤沈下したことも否めない。

 '05年から始まったセ・パ交流戦の成績は、通算勝敗がパ・リーグの981勝872敗55分け、勝率.529で、今年までのリーグ間成績はパが13回中12回の勝ち越しと圧倒している。交流戦だけではなく、'05年以降13年間の日本シリーズの成績はパ・リーグ覇者の10勝3敗、勝率.769である。

 逆指名ドラフトとFA制度が導入された'93年から'04年まで12年間はセ・リーグの8勝4敗、勝率.667なのだから、'05年を境に明暗はくっきりと分かれている。

 この傾向は近年のドラフトでも同様である。

【次ページ】 「パのほうがクジ運がいい」と言うよりも。

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