リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
レアルと“BBC”がリーガで機能不全。
ロナウド&ベンゼマ不振の原因は。
posted2017/11/23 08:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
11月も下旬に入り、リーガは序盤を終えようとしているが、優勝候補筆頭と見られていたレアル・マドリーの調子が一向に上がらない。
12節終了時の順位はバルセロナが首位で、バレンシアが2位。それからマドリー、アトレティコ・マドリーと続くが、1位と3位の間には早くも10ポイントもの差ができている。先はまだ長いとはいえ過去のデータからすると、逆転はかなり難しいだろう。
マドリーがなかなか波に乗れない理由は、まずケガだ。
開幕から故障者リストに一度でも名を連ねた選手は23人中11人。特にディフェンダーの戦線離脱が多く、守備の要であるセンターバックが安定しない。加えてサイドバックのサポート、中盤のボールコントロールも堅実さと円滑さを失った。2つ目の黒星がついたリーガ第10節・ジローナ戦、CLトッテナム戦で起きた中盤でのターンオーバー数はそれぞれ40回、37回もの回数に及んだ。
とはいえ、そんな状態であっても勝ってしまうのが'10年以降のマドリーだった。中盤のゲーム支配力が弱かろうと、ディフェンスラインがちぐはぐであろうと、前線のベンゼマとC・ロナウドがチャンスをモノにしてきたからだ。
ロナウドが放ったシュートは55本、決まったのは1本。
ところが、今シーズンはその2人に全くといっていいほど当たりがない。
C・ロナウドはこれまでと変わらぬ姿勢でゴールを狙っており、12節までに出場した8試合720分間で55本ものシュートを放っている(枠内へ飛んだのは15本)。1試合平均シュート数6.9はメッシを抑えて現在ランキング1位だ。が、決まったのはわずかに1本。
「ゴールの数だけで自分をジャッジしないでくれ」と先日レキップ誌上で不満を口にしたC・ロナウドだが、彼はマドリーの歴代最多得点者であり、得点力こそが彼の最大の魅力である。ファンが期待するのも当然ゴールだ。
ちなみに1試合平均6本のシュートを放つメッシは12試合で12ゴール。得点ランキング2位につけているバレンシアのザザは、負傷離脱したとはいえ11試合で計25本のシュートを放ち、9ゴールを決めている。