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ヤスアキジャンプは空気を変える。
稲葉監督と浜スタが待つ絶対守護神。

posted2017/11/20 13:00

 
ヤスアキジャンプは空気を変える。稲葉監督と浜スタが待つ絶対守護神。<Number Web> photograph by Getty Images

プロ入り1年目から3年連続で50登板を記録している山崎康晃。ヤスアキジャンプはすっかりハマスタの名物だ。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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「ベイとの戦いではウチの攻撃は8回で終わりですから! それまでにリードしないと9回は手も足もでない」

 横浜(現DeNA)の大魔神・佐々木主浩投手の全盛期に、巨人の長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)はよくこうボヤいていた。

 佐々木がでてきたらお終いだ――。相手チームにそう思わせるクローザーの存在は、ゲームプランに不可欠な要素であるし、そういう絶対守護神を育てるのは、ある意味球団とファンの仕事といってもいい部分がある。

 メジャーでは、クローザーの登場曲が流れるだけでスタジアムのムードが一変する演出がされる。歴代最多652セーブを記録したニューヨーク・ヤンキースのマリアノ・リベラ投手はメタリカの『エンター・サンドマン』、リベラに次ぐ通算601セーブのサンディエゴ・パドレス、トレバー・ホフマン投手はAC・DCの『ヘルズ・ベルズ』等々、独特な登場曲があった。そしてそのイントロ(ホフマンは教会の鐘の音)が流れた瞬間に、スタジアムが沸きたち空気は一変する。

 ただ単にマウンドに上がって9回を締めくくるだけではない。そういう風にスタジアムの空気を変えられるクローザーというのは、チームにとって得がたい存在になるわけである。

9回、東京ドームのスタンドはザワついていた。

 日本が韓国を破って優勝した「アジアプロ野球チャンピオンシップ」の決勝戦。

 9回の韓国最後の攻撃を迎えると、東京ドームのスタンドはザワザワと落ち着きがなくなっていった。ある種の期待感を含んだその喧騒の中、ベンチから背番号19がマウンドに向かう。すると待っていたように“あれ”が始まったのである。

“ヤスアキジャンプ”だ。

【次ページ】 “稲葉ジャンプ”の力を知る監督だからこそ。

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