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栗原恵「解雇して下さい」から1年。
大好きなバレーで今の100%を。
posted2017/11/15 17:00
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Kiyoshi Sakamoto
開幕からフル稼働でコートに立つのは、何年ぶりだろうか。
「コンディションは相当いいです。でも、なかなかチームの結果が伴わなくて。楽しいけれど、大変ですね」
あれから14年――。
2003年のワールドカップで「メグカナ」として、人気を博した栗原恵も今年7月で33歳になった。大山加奈は'10年に引退し、現在はバレーボール教室や解説など普及活動に携わる中、栗原は今もなお、日立リヴァーレの選手としてコートに立ち続けている。
10月21日に開幕したV・プレミアリーグ女子大会も11月12日で7試合を終え、日立は1勝6敗となかなか苦しい戦いを強いられているのだが、開幕からフル出場を果たす栗原の調子は至って好調。全日本ジュニアや世界U-23女子選手権など若い選手が開幕直前までチームを離れていたこともあり、他チームは若手が主体で臨む国体予選や国体もフル出場した。
「だいぶ追い込んでもらったおかげで土日も疲れない」と栗原は苦笑いを浮かべるが、状態の良さを感じているのは栗原自身のみならず、同じ33歳のミドルブロッカー、荒木絵里香(トヨタ車体クインシーズ)も同様だ。
「今季のメグはいいですよ。すごくボールが来てる。一番いい時の彼女も知っているし、苦しかった時の彼女も知っているから、今、すごくいい球、強い威力のパンチがある球がどんどん来るのを見ていると、本当に状態がいいんだなと思うし、メグがこれだけ出ていること自体、すごく、すっごく嬉しいです」
「昔はすごいツンツンして、くそ生意気だったなぁ」
もちろんそれは栗原も同じ。何しろ、プリンセスメグ、と華々しくもてはやされた頃は、それが窮屈で苦しかった。
「昔はすごいツンツンしていたと思います。くそ生意気だったなぁ(笑)。つらすぎて、プレッシャーに負けないように、それを隠すために必死だったから。でも今振り返ると、もうちょっと考えて、上手に生きられたんじゃないかなって思いますけどね」
そして、1年前を思い返すと、心から思う。
「またこうしてコートに立ててプレーしている姿を見て喜んでもらえるというのはすごく幸せな選手ですよね。『いらない』って言われてもおかしくない年齢だということは自分でも自覚しているので、その中で、こうして今もいられるのは嬉しいなって思います」