オリンピックへの道BACK NUMBER
「うまくいかなかったのも想定内」
本田真凜の課題はメンタルと練習。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2017/10/30 12:10
その天真爛漫さでファンを魅了する本田だが、コーチの「練習量が少ない」というアドバイスがどこまで届くか……。
「(本来やるべき練習を100としたら)20くらい」
「(本来やるべき練習を100としたら)20くらい。飛ばしたり、省くことが多いんですね。きっちりした練習が苦手で、気持ちでやるので1個狂うとこうなるのは十分予想していました」
かねがね、濱田コーチが語ってきた問題でもある。
そして、ある試合を例に説明する。
「子供たちによく言う話があります。浅田真央さんが世界選手権で最初の3アクセルを失敗してフェンスまで行った。でもそのあとちゃんとやって優勝したことがあります」
2008年の世界選手権である。
「浅田真央さんは冷静に立て直して、あとは全部きちんとやった。だからチャンピオンなんです。ほんとうに練習をしている人はミスを連発しない。立て直すのが早い」
そして付け加える。
「今日は懲りるかもしれないけれど、忘れるのも早いから(笑)。勉強になってくれたらいいけれど」
これまでも何度も指摘されてきた「練習への取り組み」。
濱田コーチが求めるのは、練習の積み重ねだ。
対する本田は本田なりのスタンスで歩んで、今日の地位まで来た。
一夜明けたフリーでは、スピンですべてレベル4をとるなど、一定の立て直しを図ることができた本田。
だが、スケートカナダで、いやこれまでも何度も指摘されてきた練習への取り組みという課題をどう受け止め、自分の中でどのように消化して進んでいくのか……。
どの要素もおろそかにはできないことを如実に示したスケートカナダを経て、11月3日から中国杯を迎える。