ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
香川真司「気持ちに余裕ができたな」
フィジカル改善策がメンタル向上に。
posted2017/07/14 13:15
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
ダンスを踊っているかのようにボールをコントロールしながら、香川真司はシュートを決めていた。
7月5日から4日間にわたって行なった宮崎での自主トレの最終日。地元ファンに公開した1日の締めくくりは、この自主トレで初めて行なった本格的なシュート練習だった。
キーパーを務めたのがプロではないスタッフだったとはいえ、ファーストタッチで一気に抜いたり、往年のジダンのようにルーレットでキーパーをかわしたり、狙いすましてゴールポストすれすれのコースに強いシュートを放ったり……。様々な動き、多彩なボールタッチで躍動していた。シュート練習の意図を香川に問うと、こんな答えが返ってきた。
「シュートのバリエーションは、それなりに多く持っているので、それを確認したかったんです。体の使い方、下半身の使い方、上半身の使い方など、それぞれを意識しました。そうすることは怪我の予防にもなってくるので。シュートの質はこれから上げていければいいですけど、練習の大半で体(の各部分)が使えている感覚をイメージできました」
6月7日、肩を負傷したシリア戦以来となる本格的なシュート練習だったが、左肩の治療にあてた期間とオフをはさんでも、感覚は失われていなかった。
「身体の使い方、体重移動が良くなってきました」
そうした感覚を自分の身体に刻み込めているのは、今年1月から取り組んでいるトレーニングにあるのだろう。
実は3月初旬、香川はこう話していた。
「これまでは身体のバランスが良くなかったので、身体が浮いたり、ぶれたりしている部分が結構ありました。今年に入ってから、そういうところをテーマにしてやった中で、身体の使い方だったり、体重移動だったりが、良くなってきました」
その感覚は時間が経つにつれて、実を結んでいった。