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梶谷隆幸「ま、やる気ない系なんで」
ヤジにもブレない“三振王”の本心。

posted2017/07/12 08:00

 
梶谷隆幸「ま、やる気ない系なんで」ヤジにもブレない“三振王”の本心。<Number Web> photograph by Kyodo News

ツボにハマった時の長打力、そして走力はチームでも有数。2番打者でも下位打線でも、梶谷の存在は相手にとっては厄介だ。

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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Kyodo News

 一生懸命やらない人に対して、世間は手厳しい。本人は一生懸命でも、そう見えないというだけで批判の対象になる。

 スポーツの世界ではなおさらそうだ。

 期待に満ちた無数の視線が注がれるプロの世界では、なおさらそうだ。

 ベイスターズの背番号3、梶谷隆幸にとっては生きづらい世界だろうと思う。プロ野球選手になって11年目の28歳は、ユニフォームを着ても脱いでも、どこか"ゆるい"雰囲気を漂わせる。他人が抱くイメージ、印象という面で相当の苦労を重ねてきたことだろう。

 ある時、こんなことを言っていた。

「ヤジ、昔はいっぱいありましたね。若いころはきつかったですけどね。でも、いまは何とも思わないです。そういうふうに見えがちな人って絶対いると思うし、ぼくがそれだったというだけで。性格は変えられない。別に、それで嫌いなら嫌いでいい……」

 そして梶谷は「ま、やる気ない系なんで」と苦笑した。

「そりゃ減らしたいですけど、正直その技術はない」

 言うまでもないことだが、あくまで「系」であって、本当にやる気がないわけではない。それは、左手薬指を骨折しながら出場を懇願し、ホームランまで打ってみせた昨シーズンのCSでの姿を思い返せば明白だ。

 心ないヤジを浴びやすいのは、三振の多さのせいでもある。今シーズンはすでに89三振で両リーグ最多(7月10日終了時点)。セ・リーグで2番目に多いスワローズの山田哲人を17個差で突き放す独走状態だ。

 梶谷は言う。

「そりゃ減らしたいですけど、正直、ぼくにはその技術がないと思ってる。いままでいろんなことをやりましたけど、根本的に、そんな器用な人間じゃないんだろうなって。だからいまは割り切ってますね。どうせアウトはアウトだからって」

【次ページ】 「浅いカウントで当てに行くのがぼくは大っ嫌い」

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