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日本サッカー協会・田嶋幸三会長が
NSBC受講者と討論した「方策」とは。

posted2017/07/07 16:00

 
日本サッカー協会・田嶋幸三会長がNSBC受講者と討論した「方策」とは。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Yuki Suenaga

「日本サッカー界が、プロリーグの発展と代表チームの強化を両立させるための方策は?~ドイツを1つの成功例として考える~」

 これはNumber Sports Business College(NSBC)」第5回の最後に、受講者に出された“宿題”である。自分なりの方策を考え、2週間後の第6回講座でプレゼンする。しかも、プレゼンを聞き、感想を述べる講師は日本サッカー協会の田嶋幸三会長である。将来、スポーツビジネスに携わることを目指す受講者にとっては、またとない機会である。

 期待どおり、受講者と日本サッカー界のトップ・オブ・トップによる“マッチアップ”は白熱した。ある受講者は、イングランド、アルゼンチン、ドイツの状況を分析。その上で、Jリーグの発展と日本代表の強化を両立させるには、Jリーグの集客力アップが不可欠という切り口から、こうプレゼンした。

リーグがクラブに年俸補助支援をする案は?

「Jクラブが海外からスタープレーヤーを獲得するために、Jリーグが補助金を出すという施策を提案したいと思います。もちろん制限がなければ、鰻のぼりに金額が上がってしまうので、各チーム1名、金額は年俸の半額といった上限を設定します。

 例えばJ1クラブならば1億円まで、J2ならば5000万円とすると、おそらくリーグの支出は年間で30億円程度になるはずです。DAZNによるJリーグへの放映権料は10年間で2100億円と報じられているので、その分配金を調整すれば、賄えるのではないか。

 期待される効果としては、現在、ヴィッセル神戸に加入するポドルスキ選手が話題になっていますが、1993年のJリーグが開幕した時のようにスター選手が集まり、お客さんが増えることで、日本人選手も良い影響を受けるというサイクルが生まれるのかなと」

 じっと見守っていた田嶋会長は、プレゼンが終わるとすぐにマイクを握った。

「具体的な金額まで示してもらって、ありがとうございます。1つの方向性として、優れた外国人選手をJリーグに集めるというのは、提案として面白いと思います。これは、DAZNと大型契約を結んだ今じゃないとできないことかもしれません。これを機に、こういうことをやったらどうだという意味でいうと、1つの良いアイディアだと思いますね」

【次ページ】 Jリーグの観客動員を上げる、もうひとつの策。

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