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日本とプエルトリコ。
WBC、勝負の鍵は野球IQの高さ。

posted2017/03/17 09:00

 
国旗を手に感情を爆発させるリンドーア。プエルトリコにとっても、WBCは国家の威信を懸けた戦いである。

国旗を手に感情を爆発させるリンドーア。プエルトリコにとっても、WBCは国家の威信を懸けた戦いである。

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 今回のWBCは観客数が多い。テレビの画面を通じてもそう思うだろうが、実際、動員数は前回大会(2013年)に比べてかなり増加した。1次ラウンドだけに絞っても、前回の総動員数が36万弱だったのに対して、今回は51万弱にのぼる。

 牽引役は、やはり日本だ。東京で行われた1次ラウンドの総観客数は20万を突破した。日本戦3試合の平均動員数は4万2000を超えた。2次ラウンドも約4万。

 盛り上がったのは日本だけではない。マイアミで行われたプールCの1次ラウンドでは、16万を超える観客が動員された。目玉カードのアメリカ対ドミニカ共和国戦(3月11日)などは、3万7446人と、マーリンズ・パーク開場以来の大入りだった。

 このうち、3万6000人がドミニカの応援。テレビで見ているだけでも、ドラムスやホルンやマリンバなど、打楽器や管楽器の騒音が凄まじく、カリブ海で開かれるウィンター・リーグのビッグゲームに近い雰囲気だった。本塁打が飛び出すたびにチーム全員がベンチから飛び出す光景は、ふだんの大リーグではそうそう見られない。現場で観戦したアメリカの友人の話によると、「ほんとに耳が聞こえなくなりそうな」ノイズだったらしい。

準決勝、決勝と続くトーナメントは危険な試合になる。

 WBC人気が北米サイドでも急上昇したのは、0対5からドミニカが逆転勝ちしたこの試合がきっかけではないか。一方のアジアサイドでは、日本対オランダ(2次ラウンド)の熱戦で人気が沸騰した。ただ、1次ラウンド初戦の日本対キューバの試合から4万5000人近い動員数が記録されていたのだから、日本人観客の貢献は圧倒的に大きい。

 そんな観客の後押しもあって、日本は1次ラウンド、2次ラウンドをどちらも全勝で突破した。オランダ戦などはかなり危なかったが、準決勝、決勝と続くトーナメントはもっと危ない。それを予告するかのように、サンディエゴではじまったプールFの2次ラウンドは、早くも波乱含みの展開を見せている。

【次ページ】 ドミニカの“殺人打線”を抑え込んだプエルトリコ。

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