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“投手・大谷”の穴をどう埋める?
侍ジャパン・権藤博投手コーチに訊く。
posted2017/02/02 17:10
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
2月1日のキャンプインとともに第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた侍ジャパンが、本格的に動き出した。代表選手たちはそれぞれ所属チームのキャンプで世界一奪回に向けて本格的に調整を開始。その中で1日にはいきなり投手陣の中心となるはずだった日本ハム・大谷翔平投手が、右足首の故障で投手としての出場辞退というニュースも飛び込むなど激震のスタートとなった。
本サイトではプロ選手によるドリームチーム初結成となった2004年のアテネ五輪、2006年のWBC第1回大会から日本代表の全試合を現地で取材してきたスポーツジャーナリスト、鷲田康氏によるWBC連載をスタート。侍ジャパンの世界一奪回への軌跡を追う。
第1回はチーム浮沈の鍵を握る投手陣を預かる権藤博投手コーチに大谷辞退の影響など侍投手陣の核心を直撃した。
本サイトではプロ選手によるドリームチーム初結成となった2004年のアテネ五輪、2006年のWBC第1回大会から日本代表の全試合を現地で取材してきたスポーツジャーナリスト、鷲田康氏によるWBC連載をスタート。侍ジャパンの世界一奪回への軌跡を追う。
第1回はチーム浮沈の鍵を握る投手陣を預かる権藤博投手コーチに大谷辞退の影響など侍投手陣の核心を直撃した。
開幕直前になって……投手・大谷がリタイア!
――開幕まで1カ月余となったところでの投手・大谷のリタイアは、チームにとっては大きな痛手ではないでしょうか。
「確かに大谷を欠くのは大きい出来事だと思います。ただ、もう1つ、この大会は1次ラウンドで65球という球数制限がある。65球といったらヘタしたら先発して3回ですからね。だからたった3回だと思えば、それほど大きな痛手ではないという考え方もできるということです」
――投手・大谷の辞退はそれほど大きな穴にはならない?
「まあ、本人はずっとこの大会を1つの目標にやってきて、ああいう素直な性格ですからね。無念の思いも強いでしょうし、こっちも出せるものなら出してやりたいという気持ちは強いですよ。
ただ、一番大事なのはやはり選手をケガなく無事にチームに返すこと。そういう意味では少しでも不安があったり、故障がある選手は絶対にムリはさせられないですよ」
――これで投手陣は現時点で12人です。新たな投手の補充を含めて対応は?
「まだ何も決まっていません。必ずしも新たに招集する必要があるのか。先ほどもお話ししたように球数制限があるので大谷に頼るのは3回ですから。12人でやりくりできないことはない。
まあ、その辺はこれからよく話し合ってどうするか結論を出すことになるんでしょうね」