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「人と比較せず自分の中で少し頑張る」
イチローが野球少年に送った人生訓。 

text by

笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

PROFILE

photograph byKyodo News

posted2017/02/02 11:30

「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」での閉会式にて。参加した少年野球選手たちの中から、きっと“未来のイチロー”も生まれるはず。

「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」での閉会式にて。参加した少年野球選手たちの中から、きっと“未来のイチロー”も生まれるはず。

「人との比較ではなくて、自分の中で少し頑張った」

「人の2倍とか3倍頑張ることってできないよね。みんなも頑張っているからわかると思うんだけど。頑張るとしたら自分の限界……自分の限界って自分で分かるよね。

 その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいな、というふうに思います。

 みんなが今、僕を目の前にして……日本のプロ野球で何年かやってアメリカに行って16年終わったんだけども、そういう目に見える結果を残したからそんなふうに言えるんじゃないかって思っているかもしれないけど、それは全く違っていて、僕もみんなと同じように野球少年だったし、ここに今日来てくれた関根選手もみんなと同じ。しかも彼は毎年、1回戦負けの選手でした。ね? みんなの方が成績がいいんだよ。現段階では。

 彼もきっと人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。そのことを続けていくと、将来、思ってもいなかった自分になっている。と僕は思うし、実際、僕だってメジャーリーガーになれると思っていなかったし、アメリカで3000本打てるなんてことは全く想像が当時できなかったんだけど、今言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。

 それを重ねてきたことで、今現在(の自分)になれたと実感しているので、今日はこの言葉をみんなに伝えたいと思います」

「結果」と「評価」は似て非なるものなのである。

 キーワードは「自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねる」と「人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。そのことを続けていく」にあると感じている。

 多かれ少なかれ人は「評価」というものを気にしながら生きている。「評価」が欲しいために人一倍勉強もすれば、努力もする。「結果」へと繋げるためにはそれしかないことを知っているからだ。

 だが、「結果」と「評価」は似て非なるものである。

【次ページ】 野球に限らず、万人に響くメッセージではないか。

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