辻直人のB.LEAGUER DIARYBACK NUMBER
届かなかったバスケ日本一の称号。
辻直人が語る高校王者、そして決勝。
posted2017/01/29 07:00
text by
辻直人Naoto Tsuji
photograph by
Kiichi Matsumoto
2017年が始まって間もなく1カ月が経とうとしている。
川崎ブレイブサンダースは、昨年の大晦日に千葉ジェッツとのリーグ戦、オールジャパン(全日本総合選手権)、そして安養KGC人参公社との日韓戦、「EAST ASIA CLUB CHAMPIONSHIP 2017」とゲームが続き、タフなスケジュールをこなした。少なからず、チームには疲労感も見えるが、試合はこれからも続いていく。
今回はオールジャパンを振り返ってみたい。
新年早々にオールジャパンが行われた。この大会は毎年1月に開催される大会で、バスケットの日本一を決める大会だ。2017年1つ目の大きなタイトルがかかった大会でもある。
トーナメント戦で、負けたら終わりの一発勝負。毎年、リーグ戦とはまた違う緊張感が漂っている。僕らの初戦の相手は1月5日の福岡第一高校だった。相手はウインターカップ優勝校。ふと、自分の高校時代を思い出した。
洛南時代、高校2、3年時とオールジャパンに出場した。3年時の3回戦ではパナソニックトライアンズ(当時)と対戦したが、トップリーグが相手ということもあり、高校の公式戦とは異なる緊張感を感じ、気持ちが高揚した。それは10年近く経った今でも覚えている。
福岡第一の重冨兄弟は上手かった。
福岡第一はボールもよく動いていたし、さすが強豪校。やはりシュートがみんな上手かった。話題になっていた双子の兄弟、重冨友希選手、周希選手もドリブルや1対1のスキルが非常に高く、ウインターカップで優勝したのも納得できるものだった。
2試合目の対戦相手は、同じBリーグに所属するサンロッカーズ渋谷。
自分自身はアップの段階からシュートタッチが良く、スリーポイントがよく決まった。
しかし、それだけの試合だった。ミスも多く、納得のいくプレーは他にできていない。そのスッキリしない気持ちで臨んだ準決勝のアルバルク東京戦。この試合が山場になることはチーム全員が理解していた。もちろん、個人的にも緊張感も感じていたが、「本当に勝ちたい」という強い気持ちで臨んだ試合だったと思う。