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キタサンブラックが年度代表馬に!
ディープ以来の「客を呼べる馬」。
posted2017/01/13 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
サプライズではあったが、納得の結果。2016年度の年度代表馬の選考結果を知り、そう感じた人は多かったのではないか。
2016年度のJRA賞受賞馬選考委員会が1月10日にJRA本部で行われ、歌手の北島三郎氏が所有し、武豊が主戦騎手をつとめるキタサンブラック(牡5歳、父ブラックタイド、栗東・清水久詞厩舎)が、最優秀4歳以上牡馬に選出されると同時に、年度代表馬の栄誉を獲得した。
キタサンブラックは、昨年、天皇賞・春とジャパンカップのGI2勝をマークしていたが、モーリスは、香港チャンピオンズマイルと天皇賞・秋、香港カップとGIを3勝していた。ほかにGIを複数回勝っているのは菊花賞と有馬記念を制したサトノダイヤモンドのみ。
単純に、勝ったGIの数が一番多いモーリスが2年連続年度代表馬になるだろうと私は思っていたのだが、意外なほどの票差で、キタサンブラックが選ばれた。
JRA賞は、各地区の記者クラブ、専門紙協会に所属する有資格者291人による投票で決まるのだが、年度代表馬の票数の内訳は次のようになっている。
キタサンブラック 134
モーリス 90
サトノダイヤモンド 66
該当馬なし 1
キタサンブラックの134票は過半数に達しないが選考基準の3分の1をクリアしたため、一発で決定となった。
モーリスとサトノで割れたことでキタサンに。
2位のモーリスの約1.5倍、3位のサトノダイヤモンドの2倍以上だから、大差と言っていいだろう。
もっとモーリスと接戦になると思っていたのだが、サトノダイヤモンドに票が流れたぶん、キタサンブラックが頭ひとつ抜ける格好になった。モーリスとサトノダイヤモンドの票数を足すと156票となり、キタサンブラックを上回る。一騎討ちにならなかったことがキタサンブラックに有利に働いたと言えそうだ。