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チェルシーを甦らせたコンテの英断。
3バックを輝かせる両WB+アザール。

posted2016/10/23 07:00

 
チェルシーを甦らせたコンテの英断。3バックを輝かせる両WB+アザール。<Number Web> photograph by Getty Images

ラニエリ監督率いるレスターを叩きのめしたチェルシー。コンテ監督のパッションと3バックはプレミアを席巻するか。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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「監督はチームにあったスーツを仕立てるテイラーのようなもの。このチームにはこのシステムが合っている」

 ホームにレスターを迎えたプレミアリーグ第8節、3-0の快勝を収めたチェルシーのアントニオ・コンテ新監督は言った。イタリア人指揮官は、今年7月の就任会見から自身の仕事を「仕立屋」にたとえていた。プレシーズン中には4-2-4、開幕当初は4-2-3-1、その後4-1-4-1を織り交ぜた末に、3-4-3という名の“スーツ”がチェルシーの基本システムとして新調された。

 メディアの評判も上々で、同システムでセリエA3連覇を成し遂げた「コンテのユベントスを思わせる」とも讃えられた。しかしその指揮官は、リバプールとアーセナルに計5点を奪われたリーグ戦連敗を受けて、解雇の噂まで囁かれていた。チームも今季優勝候補から除外されかけていた。

 そのチェルシーが、3バック制採用を境に無失点での2連勝と立ち直った。

“急造ウイングバック”が3-4-3採用を可能にした。

 新監督がシステム変更に慎重だった理由には、「コンテ・ブランド」として扱われていた3バックをチームに押し付けたくない気持ちもあっただろう。だが、それ以上に新任地では「素材」が不足しているという感覚があったに違いない。

 今季開幕を迎えた時点で、チェルシーには傍目にも3バック向きのCBとウイングバックが揃っているとはいえない状態だった。それでも強行した3-4-3への変更は、強豪対決での連敗でシステム変更を余儀なくされた形だ。「ハイラインでコンパクトに守り」、守備の改善をはかる策だった。

 もっとも、当人にすれば自信を持つシステムをチェルシーでも採用したいという意識は胸中にあったはずだ。実は開幕戦でも、試合終盤に3バックへと陣形を変えたことがある。今夏の補強にしてもダビド・ルイスの買い戻しは、ジョン・テリー以上に足下が確かで、3バックで使えるという点にあると見られた。

 加えて、実は使える「素材」が手元にあるという感触も得ていたのかもしれない。それはハル戦後に、自ら「判断は正しかったと証明してくれた」と評価した、マルコス・アロンソとビクター・モーゼスの“急造ウイングバック”2名だ。

【次ページ】 アロンソとモーゼスのハードワークを指揮官も絶賛。

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