マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
慶應・正木智也の驚弾で確信――。
清宮世代は「スラッガー世代」だ!
posted2016/08/02 17:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
NIKKAN SPORTS
清宮世代は「スラッガー世代」。
なんだか、そうなりそうな予感がする。
今年、高校2年生になったのは1999年生まれと、早生まれだと2000年生まれというミレニアム世代。
早稲田実業高・清宮幸太郎をはじめとして、すでに甲子園の大舞台でもその長打力を発揮している選手を含め、超高校級の2年生スラッガーたちは全国ですでに十指に及ぶ。
その「スラッガー世代」にもう一人、逸材が加わった。
横浜スタジアムのレフト中段へと叩き込んだ一撃。
神奈川県予選の準々決勝で、昨夏全国制覇の東海大相模高を8回コールドで破り、ベスト4に進んだ慶應義塾高。その4番をつとめる正木智也(外野手・181cm83kg・右投右打)のスイングとその打球に思わず目を見張った。
初回に巡ってきた第1打席。1死一、二塁のチャンスに、東海大相模先発の左腕・山田啓太(3年・169cm68kg・左投左打)の内角高目の速球を振り抜いた打球は低い角度のライナーで伸びて、あっという間に横浜スタジアムのレフト中段ではずんでいた。
強豪・慶應の4番だ、それぐらいは打つんだろう。注目したのは、<快打の次>だ。第2打席は、3回の1死一塁。今度は、東海大相模・山田啓太の落差の大きなカーブ。
さっきの<驚弾>が速球だったから、山田の攻めはカーブ中心と読んだのか、そのカーブを振り抜いて、あわや連続! の放物線をバックスクリーンの前まで運ぶ。
煽られていない。2年生なのに、最初のホームランにまるで酔っていないのがすごい。
ならば、今度はどうなんだ?
いい加減、崩すだろう……。