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貫けなかったサーブと守備システム。
男子バレー、本当は勝ち筋があった!?
posted2016/06/07 11:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
AFLO
6月5日まで開催されたリオデジャネイロ五輪世界最終予選で、2大会ぶりの五輪出場を目指した日本男子は、出場権を獲得できなかった。
初戦のベネズエラ戦はセットカウント3-1で勝利したが、2日目の中国戦に敗れると、そこからポーランド、イラン、オーストラリアに連敗し、その時点で五輪切符獲得の可能性がついえた。
「試合前から選手に自信が見えなかった」
今大会を視察していた豊田合成のクリスティアンソン・アンデッシュ監督は、第3戦ポーランド戦の日本の印象をこう語った。
そう映ったのもしかたない。チームの戦い方にブレが生じていたため、選手の顔に不安の色が浮かんでいたのかもしれない。
「サーブは日本の生命線」のはずが……。
「サーブは日本の生命線」と全日本の南部正司監督は言った。
柳田将洋、石川祐希、清水邦広のジャンプサーブが日本の武器だということは、チームの共通認識だった。強力なサーブでポイントを奪ったり、相手のレセプション(サーブレシーブ)を大きく崩し、日本が守りやすい状況を作る。ある程度のミスが出ても、それを補う効果率を残すことができればいい。そうして高さやパワーで上回る相手に対して勝機を見出すのが、日本の目指す戦い方だった。
開幕戦で、エース石川の対角にサーブ力のある柳田を起用したのは、指揮官の「サーブでおしていく」というメッセージだった。
しかし大会2日目の中国戦に敗れると、3日目のポーランド戦でそのメッセージがぶれてしまった。
確かに中国戦は柳田、石川のサーブが不調だったが、リベロの永野健は「サーブがないと勝てないと思っているので、そこを妥協して(攻めずに)入れていくのは僕は納得できない。今日は納得のミスだった」と語っていた。