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新天地でリスタートを期する、
今江敏晃が東北楽天の救世主となる。

posted2016/01/27 10:30

 
ヒゲを剃って臨んだ昨年12月の楽天の入団会見で、梨田監督と握手を交わす今江。

ヒゲを剃って臨んだ昨年12月の楽天の入団会見で、梨田監督と握手を交わす今江。

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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Kyodo News

「い・ま・え! い・ま・え!」

 今年、白か黒で染まる大迫力のスタンドからその名前が呼ばれることはない。何だか、まだピンとこない。筆者はハンドルを握りながらそんな思いを率直に話すと、助手席に身を沈める今江敏晃も、同調するように頷いた。

 筆者がかれこれ10年以上もライフワークにしている、福岡在住の鴻江寿治トレーナーが主宰する合同自主トレの運営サポート。今年もオリックス中島宏之や中日吉見一起らが顔をそろえた中、今江も今月18日から3日間、ロッテの荻野貴司と金澤岳を引き連れて参加した。

足下はクリムゾンレッド。

 旧チームの後輩たちが一緒だったためか、「楽天の今江」であることをつい忘れそうになった。だが、合流初日のグラウンドですぐに気づいた。彼の足もとのストッキングは、楽天カラーのクリムゾンレッドに変わっていた。

「1月の自主トレから使っています。でも、同じ色のアンダーシャツもメーカーから送ってもらったんですが、そっちはまだ着てません。何か抵抗があるんですよね」

 昨年オフにFA権を行使した。宣言残留を認めない球団の方針から、14年間もプレーしたロッテを離れた。別れの際は涙を流した。

 やはり古巣への愛着がまだ心にあるのか。だが、筆者がしんみりとしたムードを醸し出すと、今江は快活に笑い飛ばした。

「今は新天地でやるイメージしか湧いてこないですよ。もうロッテの選手じゃない。楽天の今江です」

【次ページ】 「今まで懸垂なんて1度もできなかった」

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