マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
2016年の「12球団1位指名」候補。
田中正義の本質はワザと距離感!?
posted2015/11/11 10:40
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
NIKKAN SPORTS
大学野球の秋のリーグ戦はすでに全国各地でその幕を閉じたが、「大学野球」はまだまだ終わっていない。
今月13日から始まる「明治神宮大会」(神宮球場)。今季最後のアマチュア野球の全国大会である。
この大会は、そのシステムにちょっと説明が必要で、その出場校は各地の秋季リーグ戦の1位、2位校同士がその地方で予選を行なって決める。
たとえば「関東」なら、東京六大学、東都大学は単独で出場できるが、そのほかの5リーグ(首都、神奈川、関甲新、東京新大学、千葉)は横浜スタジアムで予選を行い、決勝に進出した2校が明治神宮大会にコマを進める。そうした予選が全国6地区で行なわれ、すべての出場校が決まる。
そんな明治神宮大会の予選で、創価大・田中正義投手が惜しくもその姿を消した。
関東学院大を破って勝ち上がった準決勝で、関甲新リーグ代表・上武大に敗れた。3対2の僅少差だった。
50イニング続けた無失点記録。
来たる2016ドラフト。
そこで、50年を超えるドラフト史上初の「12球団重複1位指名」まであるぞ……とささやかれる“超”のつく大型本格派が創価大・田中正義投手だ。
今回は、そのスーパースター候補の“今”についてお伝えしたい。
この秋のリーグ戦。
田中正義投手は春のリーグ戦から続けていた無失点記録を、50イニングまで伸ばしていた。
すべて完封したとして5試合以上。すばらしい記録に間違いはないが、田中正義の能力の高さとリーグ戦の相手との力関係を考えれば、当然なのかもしれない。
それほどまでに圧倒的な田中正義のピッチングの本当のすごさは、ダグアウト上方からの角度で見て初めて実感できる。