プレミアリーグの時間BACK NUMBER
モウリーニョがチェルシー更迭目前!
アザール、そしてセスクは甦るか。
posted2015/11/07 10:40
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
AFLO
まさかの絶不調に、2度目のジョゼ・モウリーニョ体制も終焉間近と報じられる中で11月第1週を迎えたチェルシー。4日に行われたCLグループステージ4節ディナモ・キエフ戦(2-1)は、解雇のプレッシャーに晒されている監督の精神衛生面に大きな効果をもたらした。
ピッチ上ではチームが終盤に追いつかれても勝ち越しに成功し、スタンドからは「スペシャルワンのために立ち上がれ!」という合唱が沸き起こり、当人が「意義」と「感動」を認める勝利となったのだ。
しかし、そのモウリーニョの進退は依然として微妙なままだ。CLではグループステージ敗退の回避が濃厚でも、リーグで来季CLへの出場権を逃す危険性が高まれば、オーナーのロマン・アブラモビッチは情け無用の大鉈を振るうに違いない。10月末のプレミアリーグ11節リバプール戦(1-3)で6敗目を喫したチェルシーは、勝ち点11ポイントのみの15位に低迷中。優勝争いはもちろん、トップ4争いに参戦するだけでも早期のパフォーマンス改善が必須だ。
キエフ戦も、試合内容はいま一つ。ボールを支配した前半に決定機は作れず、ウィリアンのスピードあるクロスに慌てた相手CBのクリアミスが先制のオウンゴールとなった。後半にはセットプレーから同点に持ち込まれ、FKからウィリアンの右足一閃で救われた。2得点に絡んだウィリアンは元々、攻撃陣で開幕当初から安定した活躍を見せている唯一の選手。チームパフォーマンスが格段に上向いたとは言い難い。
アザールの不振が盛んに言われているが……。
奮起が求められる主力としては、エデン・アザールの名前がメディアで挙げられ続けている。9節アストンビラ戦(2-0)で先発を外れ、翌々週のリバプール戦では1時間足らずで交代を命じられると、モウリーニョとの確執まで噂された。その背景には、昨季プレミアで年間最優秀選手となり、ロナウドとメッシに続けとばかりに今季のワールドクラス化が期待された24歳の伸び悩みに対する歯痒さもあるだろう。
たしかに、11節終了時点で0ゴール2アシストという数字は淋しい。当人も「こんなに上手くいかないシーズンは初めてだ」とスランプを認めている。それでもピッチ上での出来を見れば、勝てない原因と責められるほど悪くはない。完敗した2節マンチェスター・シティ戦(0-3)でも、惨敗と言えるエバートン戦(1-3)でも、チャンス演出努力を続けたアザールには10点満点で6点は与えられる。『テレグラフ』紙の採点では、7節ニューカッスル戦(2-2)でも7点をもらっていた。