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3点シューターのMVP。
~NBA史に残るカリーの受賞~

posted2015/07/14 10:30

 
3点シューターのMVP。~NBA史に残るカリーの受賞~<Number Web> photograph by AFLO

ウォリアーズは40年ぶりに優勝。カリーはMVPの栄光に輝いただけでなく、その立役者でもある。

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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AFLO

 ウォリアーズのステファン・カリーが'14-'15年のNBAでMVPに選出された。投票権を持つ記者130人から100票の1位票を獲得して、2位のロケッツのジェイムズ・ハーデン(1位票25票)を大きく引き離して、文句なしのMVPとなった。

 カリーは様々な意味で、ユニークなMVPだと言っていい。まず、3点シュートを一番の武器にしている選手が、その実力を発揮してMVPに選ばれたのは、史上初めてのことである。また、チームの司令塔であるポイントガード(PG)がMVPになったのも珍しい。そして身長が6フィート5インチ(約196cm)未満の選手でMVPになったのも珍しい。こうした様々な側面について、ひとつひとつ見ていきたい。

 NBAで3点シュートが導入されたのは'79-'80年シーズンのこと。別表は、このシーズン以降のNBAでMVPになった選手、21人である。2回以上受賞している選手については、3点シュートを一番多く打っている、あるいは決めているシーズンの成績をピックアップして、表にまとめている。

今季平均得点23.8点のうち約10.7点が3点シュート。

 この「3点シュート時代」にMVPになった選手の中で、過去に、いわゆる「3点シューター」の範疇に入る選手と言えば'06-'07年のダーク・ノビツキーである。しかしノビツキーはこのシーズン、72本しか3点シュートを決めていない。彼としては2点シュートの多かったシーズンにMVPになっているわけだ。また'85-'86年のラリー・バードは82本を成功させているが、これはこのシーズンの3点シュート成功数としてはリーグ最多だった。つまり当時としては、バードは3点シューターだったと言えるが、82試合で82本の成功だから1試合平均1本になる。3点シュートが最大の武器だった、とまでは言えないだろう。

 昨シーズンまでに、3点シュートの成功数が一番多かったMVPは'13-'14年のケビン・デュラントで192本。これは自己最多の成功数だったが、1試合平均では約2.4本で、平均得点32.0点のうち3点シュートが占めていたのは約7.1点に過ぎなかった。これはやはり3点シューターとは言えない。

 カリーは今季、NBA記録となる286本の3点シュートを決めている。1試合平均で約3.6本。平均得点23.8点のうち約10.7点が3点シュートによる得点だった。こうした典型的な3点シューターがMVPになるのは初めてのことなのである。

【次ページ】 マジック・ジョンソン、アイバーソンらと肩を並べた。

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