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森友哉・清宮幸太郎が好球必打な訳。
イチローと古田敦也が作った「時代」。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/04/25 10:40

森友哉・清宮幸太郎が好球必打な訳。イチローと古田敦也が作った「時代」。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

“高校入学の時点で鳴り物入り”という異例の前評判の中、春季東京大会でデビューした早稲田実・清宮幸太郎。184cm、97kgという巨躯に秘められた可能性や如何に。

 4月中旬、立て続けにもの凄いホームランを見た。最初に紹介するのは大宮公園野球場で行なわれた西武対楽天5回戦、西武の6番打者(指名打者)森友哉が5回裏に放った3ランである。中村剛也の二塁打で2-2に追いつき、なおも2死一、三塁で迎えたこの場面、森は代わったばかりの西宮悠介の初球ストレートをフルスイング、打球はあっという間に右中間スタンドに吸い込まれた。

 プレッシャーのかかる場面で、昨年は苦手だったはずの左腕(打率.167に抑えられた)の140kmを超える初球ストレート。これを何の迷いもなく振り抜いて最高の結果を手にする。高校を卒業して2年目の19歳とはにわかに信じられない迫力に、直前のメヒアへの敬遠のフォアボールでブーイングの嵐が巻き起こったスタンドは、一瞬にして歓喜の声に包まれた。

早稲田実業の1年生、清宮幸太郎の130mホームラン。

 その2日後の4月18日、春季東京大会準々決勝の関東一対早稲田実戦で早稲田実の3番・清宮幸太郎(1年)の放った3ランにも驚かされた。

 2番打者の二塁打で3-5と2点差に迫り、なおも1死二、三塁。ここでホームランが出れば逆転だなと、恐らくほとんどの観客が思ったこの場面、左打席に入った清宮は関東一の本格派・田辺廉が投じた2球目のストレートを力みのない理想的なスイングで振り抜き、神宮第二球場の外野に張り巡らされたネットに突き刺した。その飛距離は翌日のスポーツ紙に推定130mと紹介されていた。

 森と清宮のホームランには共通点がある。ともにファーストストライクを打っているのだ。森は初球ストレート、清宮は1ボール後のストレートである。ちなみに、森は4回にも右中間を破る二塁打を放っており、打った球は2ボールからの低めストレート、清宮はホームランのあとの第4打席目にもライト前にタイムリーを放ち、打った球は初球のスライダーだった。

【次ページ】 王貞治の時代と、古田敦也&イチローの時代。

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