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ナ・リーグの好投手とDH制。
~リーグによる投手の負担の違い~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2015/03/21 10:40

ナ・リーグの好投手とDH制。~リーグによる投手の負担の違い~<Number Web> photograph by Getty Images

3月17日に右ひじ靱帯の修復手術“トミー・ジョン手術”を受けたと発表したア・リーグのダルビッシュ有。3月5日のオープン戦で右上腕の張りを訴えて、わずか12球で降板していた。

 ダルビッシュ有がトミー・ジョン手術に踏み切った。予期していたこととはいえ、これで当分の間、彼の雄姿を見ることはできなくなった。復帰は2016年夏前後だろうか。戦線離脱は残念だが、1年半休むことであと10年働ければ十分におつりが来る。そう考えて、再起を待とうではないか。ダルビッシュ自身、合理的な考え方をする投手だから、そのあたりは冷静に判断しているにちがいない。

 それにしても、彼の離脱でア・リーグの好投手がまたひとり減ってしまった。とくに最近は、FA権を取得したア・リーグの有力投手たちが、こぞってナ・リーグの球団を選択している。ジョン・レスター(アスレティックス→カブス)、マックス・シャーザー(タイガース→ナショナルズ)、ジェームズ・シールズ(ロイヤルズ→パドレス)の名を並べれば、その傾向は歴然といってよいだろう。

 彼らの少し前にも、ザック・グリンキー、バートロ・コロン、マット・ガーザといった有力投手が同じ道を選んだ。残るは、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)、コーリー・クルーバー(インディアンス)、クリス・セール(ホワイトソックス)、デヴィッド・プライス(タイガース)、田中将大(ヤンキース)……と数があまり多くない。ジャスティン・ヴァーランダーやC・C・サバシアが復活すれば話はまた別だが。

ナ・リーグには投手王国のチームが多い。

 逆に、ナ・リーグからア・リーグへ転出した投手はあまり目立たない。主なところでは、クリス・メドレン(ブレーヴス→ロイヤルズ)、エディンソン・ヴォルケス(パイレーツ→ロイヤルズ)、アーヴィン・サンタナ(ブレーヴス→ツインズ)ぐらいか。

 そんなわけで、ナ・リーグのチームに投手王国が多いのも素直にうなずける。スティーヴン・ストラスバーグ、ジョーダン・ジマーマン、シャーザーをはじめ、強力な先発6枚をそろえたナショナルズ。クレイトン・カーショー、グリンキー、柳賢振の3枚看板が安定しているドジャース。双璧はこの2球団だが、ジャイアンツ(マディソン・バムガーナー+マット・ケイン)やカーディナルス(アダム・ウェインライト+マイケル・ワッカ)も故障者さえ出なければけっして見劣りしない。ア・リーグのマリナーズ(ヘルナンデス+岩隈久志)やインディアンス(クルーバー+カルロス・カラスコ)は、もう少し層の厚さが欲しい。

【次ページ】 DH制のないナ・リーグでは、投手は息抜きができる。

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