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松野明美、高橋尚子から田中智美へ。
女子マラソン選考問題は終わらない。  

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金哲彦

金哲彦Tetsuhiko Kin

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photograph byKyodo News

posted2015/03/20 10:30

松野明美、高橋尚子から田中智美へ。女子マラソン選考問題は終わらない。 <Number Web> photograph by Kyodo News

大阪国際で3位に入り、世界陸上の代表に選ばれた重友梨佐。今回の騒動で最も心をいためているのはおそらく彼女本人だろう。

 またしても、女子マラソンの選考問題勃発。

 仲の良い解説者仲間である増田明美さんが疑問を呈す。そんな、笑えないニュースまでも伝わってきた。

 普段は温厚な増田さんだけど、筋が通らないとなると話は別。陸連担当者の煮え切らない返答に、言葉を選びながらも頬を紅潮させながら力説した姿が目に浮かぶ。

 まずは、8月に開催される「世界陸上北京大会」女子マラソンの選手選考問題をおさらいしてみる。代表に選ばれたのは、前田彩里、伊藤舞、重友梨佐の3人だった。

 近年、世界大会への選考基準は事前に明文化されて発表されることになっている。今回の選考基準を要約すると下記の4つとなる。

1. 仁川アジア大会で金メダルをとること。
2. 横浜、大阪、名古屋の国内選考レースで日本人3位以内になること。
3. 基準2を満たし2時間22分30秒を切ること。
4. 基準2を満たしナショナルチーム所属で「本大会で活躍が期待できる競技者」。

優先順位でいうと前田、田中、伊藤だと考えていた。

 当初陸連が最も期待した1と3の基準は、該当なしとなった。そこで、国内選考レース3つそれぞれの日本人上位3人、つまり総勢9名をナショナルチームに所属する5人に絞り、その中から3人を選ぶというややこしいことになったのがそもそもの原因だ。

 下記は、国内選考レースの日本人上位3名とレースでの順位だ。

横浜:(1)田中智美 (3)岩出玲亜 (5)野尻あずさ
大阪:(3)重友梨佐 (4)渡邊裕子 (5)城戸智恵子
名古屋:(3)前田彩里 (4)伊藤舞 (5)竹中理沙

 私自身、最終選考レースの名古屋が終わった時点で選ばれるだろう3人は、優先順位でいうと前田、田中、伊藤だと考えていた。

【次ページ】 田中か重友か、たいへんな議論になったと想像できる。

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