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躍進続く日本スノボ界、新ヒロインは16歳の高校生。
~世界選手権V、鬼塚雅の急成長~ 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byGetty Images

posted2015/02/15 10:40

躍進続く日本スノボ界、新ヒロインは16歳の高校生。~世界選手権V、鬼塚雅の急成長~<Number Web> photograph by Getty Images

コーチを付けない独自の練習法で成長を見せた鬼塚。妹の貴理はゴルファーとして活躍中。

 1月にオーストリアで行なわれたスノーボード世界選手権女子スロープスタイルで、弱冠16歳の鬼塚雅(バートン)が日本女子として初の頂点に輝いた。6人による決勝ではただ1人90点超えとなる92/50点をマーク。日本人がスノーボード世界選手権で金メダルを獲得したのは、'09年の男子ハーフパイプで当時18歳の青野令が優勝して以来2人目で、16歳3カ月での優勝は男女を通じて史上最年少という快挙だった。

 スロープスタイルとは、ダウンヒルのコース上にあるアイテムを攻略しながら時速100km近いスピードで滑り降り、技の難度や完成度を争う採点競技だ。コース前半はレールやボックスなどが置かれたジブセクション、後半はジャンプ台が設置されたジャンプセクション。五輪種目として初めて採用されたソチ五輪では、ロシア名物のマトリョーシカが障害物として置かれたことが話題となるなどエンターテイメント性の高い競技で、日本勢では男子の角野友基が8位入賞を果たしている。

女子最高難度の『CAB900』を成功させたポテンシャル。

 鬼塚は熊本県生まれ。5歳でスノーボードを始め、福岡県内の屋内施設で技を磨いた。小学校に上がるとすぐに頭角を現し、中学生になると海外を転戦。身長158cm、体重47kgと外国選手に比べるとかなり小柄だが、ジブセクションを得意としていることに加え、ここ2年ほどで体重が約5kg増加したことでジャンプと着地で安定感が増したという。

 3回滑った中の最高得点で争う今回の世界選手権決勝では、2回目に『CAB900』という女子最高難度の大技を成功させたことが優勝につながった。ジャンプ時に水平方向に2回転半する高難度の技だ。鬼塚はジブセクションを含めて完璧にこなしたこの回の滑りで、最高得点を記録。「ヤッター!」と叫びながらガッツポーズを繰り返し、喜びを爆発させた。さらに高得点を狙った3回目はミスが出てしまったが、逆転を期して挑んできたライバルたちも、鬼塚の2回目を超えることはできなかった。

 スノーボードはソチ五輪男子ハーフパイプで平野歩夢が銀メダル、平岡卓が銅メダル、女子パラレル大回転で竹内智香が銀メダルを獲得しているように日本が躍進を遂げている種目。'18年平昌五輪に向け、楽しみな新星がまた一人誕生した。

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