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競争できる環境を求めてイチローはマーリンズへ。
~「4番手」からレギュラー確保を~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byNaoya Sanuki

posted2015/02/09 10:00

競争できる環境を求めてイチローはマーリンズへ。~「4番手」からレギュラー確保を~<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

DH制のないナ・リーグを選んだイチローは、20代のレギュラー外野陣とポジションを争う。

 日本のみならず、米国でも数々の偉業を遂げてきたイチローが、メジャー15年目の「職場」として、マイアミ・マーリンズを選択した。条件は、昨季の年俸650万ドルから大幅な減額となる200万ドル(約2億4000万円)の1年契約。だが、グラウンドでプレーすることにこだわるイチローにとって、年俸減は二の次で、さしたる問題ではなかった。

 昨季限りでヤンキースとの契約が切れたイチローは、実は早い時期から今季への準備を着々と進めていた。2001年のメジャー移籍以来、代理人を務めていたトニー・アタナシオ氏の健康上の理由もあり、シーズン中から新たな代理人探しを開始。オフに入ると、すぐにベテランの代理人、ジョン・ボグス氏と契約を交わした。今オフの移籍交渉が、簡単には進まないことを、イチロー自身が承知していたからだった。

控えとしてのスタートも若手と競えるチャンスはある。

 その一方で、メジャーでプレーする強い意志が揺らぐことはなかった。昨季終了後には、2014年のシーズンをサラリと振り返った。

「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる。最後まできっちりと自信を持ってグラウンドに立てる自分がずっといました」

 今オフは外野手のFA(フリーエージェント)市場の動きが遅く、交渉は越年した。その間、マーリンズのほか、オリオールズ、ブルージェイズなども興味を示していた。その中で、イチローがこだわったのが、プレーするために競争できる環境だった。マーリンズには、昨季の本塁打王スタントンをはじめ、中堅オズナ、左翼イエリチと外野の定位置に空きはない。だが、控えの「4番手」としてスタートするとしても、少なくとも競えるチャンスはある。

 今季はあと134本でピート・ローズ氏が持つ4256本の通算最多安打に追い付くだけでなく、156本でメジャー通算3000本安打にも手が届く。ただ、イチローが記録のためにプレーをすることはない。出場機会が不規則だった昨年、イチローはハッキリと言った。

「今後の僕を支える時間だったと思います」

 たとえ環境が変わっても、確かな自信がある限り、プレーできる。41歳となったイチローに、惑いはない。

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