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<若貴フィーバーを振り返る>
貴乃花光司 「父の四股名で、綱をとる」
posted2015/01/29 11:50
text by
石垣篤志Atsushi Ishigaki
photograph by
Naoya Sanuki
空前の大相撲ブームの中、昇進のたびに最年少記録を塗り替え、
父と同じ大関に昇りつめた20歳。師匠・貴ノ花の名を継いで、
挑んだ横綱への道は、あまりにも険しく長いものだった。
父と同じ大関に昇りつめた20歳。師匠・貴ノ花の名を継いで、
挑んだ横綱への道は、あまりにも険しく長いものだった。
土俵にすべてを捧げた若き日の記憶。
それを手繰りよせた時、貴乃花がまず挙げたのは、意外にも“恐怖心”だった。
「実は子供の頃から臆病で、怖がりで。入門してからは、プロの世界には凄い人がたくさんいるなあ、と驚くばかりでした。同時に、この人たちと戦うのは怖い、と。何年経っても、自分の根底には、戦う相手に対する怖さがありましたね」