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上位陣は負け越しだらけ。初場所で活躍した力士は?
~遠藤、輝、阿武咲に感じる光明~ 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/02/07 10:30

上位陣は負け越しだらけ。初場所で活躍した力士は?~遠藤、輝、阿武咲に感じる光明~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

7勝7敗で迎えた千秋楽、豪栄道は寄り倒しで琴奨菊との大関対決を制し、カド番を脱出。

 両国国技館に満員御礼の垂れ幕が15日間下がるのは、実に18年ぶりのことだった。4年ぶりの天覧相撲もあり、大相撲人気も完全復活。1月初場所は稀に見る賑わいを見せたが、意外にも好成績の力士が少なかった。関脇の碧山、逸ノ城、小結の高安、栃煌山、前頭上位陣の宝富士、遠藤や勢などが総じて負け越し。それは三賞選考が難航したほどで、史上初の「三賞すべて該当者なし」となる危機だった。急遽、千秋楽にやっと勝ち越しを決めた照ノ富士に敢闘賞を受賞させ、体裁を繕った感がある。

 白鵬が33度目の賜杯を抱き、記録を塗り替えた場所となったが、「白鵬の優勝は当然。他が情けなさすぎる」と見る向きは多い。

 鶴竜、日馬富士は早々に金星を献上し、昇進3場所目にして大関から陥落の危機を迎えた豪栄道は、千秋楽に辛くも勝ち越しを決める元気のなさだった。関脇時代の気迫はすっかりなりを潜め、プレッシャーに打ち克つのが精一杯。その精神面の弱さが露呈してしまった。

 関脇2場所目、大勝ちして大関取りの足固めを目論んでいた逸ノ城は、精彩を欠き、6勝9敗と初めての負け越しを喫した。立ち合いも腰高で足が出ず、左上手にこだわり過ぎるあまり、200kg超の体とパワーを生かせない。

辛口の武蔵川親方が褒めた“遠藤の進化”。

 そんななか、6勝9敗と負け越したものの、遠藤は日々「進化中」だ。辛口の論評で知られる武蔵川親方(元横綱武蔵丸)が、先場所で唯一褒められるのが、この遠藤だと言う。

「勝ち星は上がってないけど、先場所あたりから立ち合いで手を出して行くようになり、相撲の流れがどんどんよくなって来てるんだ。でも、まだまだ手だけで、押し切る力はない。押した後に一発ガーン! と頭で当たって行けば、相手が軽くなるはずだよ」

 幕内力士の土俵よりも、十両のホープたちに目を見張った場所だった。弱冠20歳、十両2場所目の輝は先場所を上回る11勝4敗の星を上げた。18歳の新十両として土俵に上がった阿武咲は、その輝を出足鋭く一気に押し出す会心の相撲を見せた。1年幕開けの初場所は、その年の相撲界を占う場所ともなると言う。今年は新世代の活躍が、大相撲人気をさらに盛り上げることになるだろう。

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