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地上波で復活する格闘技に求められる3つの条件とは。
~テレ東でパンクラス放送が決定~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2015/01/17 10:30

地上波で復活する格闘技に求められる3つの条件とは。~テレ東でパンクラス放送が決定~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

パンクラス酒井正和代表が放送決定を発表。UFCも狙える王者ISAOなど人材も豊富。

 今春からパンクラスがテレビ東京で実況放送されることが決定した。

 放送回数は年最低4回。放送開始時間は未定ながら尺は90分枠なので、いい試合はノーカットで堪能することができる。地上波放送最大のメリットは不特定多数の人々が視聴できるという点に尽きる。

 現在格闘技中継の主流のひとつを占めつつあるインターネット放送だと、視聴してくれるのはマニア層だけにとどまりがち。案の定、放送決定のニュース効果は絶大で、団体側には選手やスポンサーからの問い合わせが急増しているという。

 パンクラスとは別にUFCの新人選手育成番組「TUF」日本版の地上波放送も水面下で進行中と聞く。さらにCSの話になるが、昨年12月29日にスカイ・Aで新興立ち技イベント「BLADE」が7時間に渡りライブ中継された。その前日にはフジテレビONEで「千原ジュニアのニッポン格闘技復興委員会」というトークバラエティが始まった。久しぶりに追い風が吹いているのか。あるテレビプロデューサーが格闘技の魅力を語る。

「金銭欲や名誉欲とともに、誰が一番強いのか? という問いかけへの欲は誰もが持っている。だからこそ今でもキラーコンテンツになる可能性を秘めている」

安心と安全性、世界戦略、そしてプロとしての色気。

 だが、そうなるためには3つの条件があると付け加えた。ひとつはコンプライアンスも含め、女性や子供が観ても安心安全なジャンルであるかどうかの確認だ。

「かつて格闘技に熱狂した人々が家族をちゃんと連れていける環境なのか。ルール、会場の雰囲気、団体の成り立ちを見てみると、いまの格闘技はひとつのジャンルになっていない。もう一度整備する作業が必要になってくるでしょう」

 ふたつめは世界に向けた戦略の有無。

「サッカーのように、最終目標として世界の舞台が用意されているのか。子供たちに夢を持ってもらうためには、その世界観の出し方も重要になってくる」

 最後はプロとしての色気を提供できるかどうか。「内輪だけで盛り上がるような閉ざされた世界なら、一般層には相手にされない。今後は主催者も新しい世代が新しい感覚で新しい格闘技モデルを作っていくことが重要になってくる」

 PRIDEの放送中止から10年目、格闘技とテレビの関係は既存のビジネスモデルからの脱却が迫られている。

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