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マドン監督招聘に見るカブス世界一への本気度。
~米屈指の名将、古豪再建なるか~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2014/11/24 10:30

選手としてはメジャー経験のないマドン監督だが、2008年、2011年にリーグ最優秀監督に選出。

選手としてはメジャー経験のないマドン監督だが、2008年、2011年にリーグ最優秀監督に選出。

 低迷の続くカブスの第54代監督に、レイズを退団したばかりのジョー・マドン氏が就任した。2年連続で地区最下位に沈んだこともあり、2016年まで残っていたリック・レンテリア監督との契約を破棄してまで、チーム再建の切り札としてマドン氏招聘に踏み切った。

 古豪カブスにとって、低迷脱出はここ数年間の大命題となっていた。過去、ダスティ・ベーカー、ルー・ピネラら実績のある監督を起用し、プレーオフ進出は達成しても、根本的な再建にはいたらなかった。その結果、1945年以来リーグ制覇から遠のき、1908年以来、1世紀以上もの間、世界一には届いていない。'45年のワールドシリーズで山羊の入場を断ったことから伝わる「ヤギの呪い」の話題も、今では取り上げられなくなるほど、戦力低下は顕著になった。

 人気球団とはいえ、近年は観客動員数も徐々に減少。レッドソックス時代、2回の世界一を成し遂げ、'12年から経営トップに座るセオ・エプスタイン副社長にとっても、これ以上、長い低迷に甘んじるわけにはいかなかった。

「我々が前へ向かってチャレンジしていくうえで、これ以上の人材はいない。世界一を勝ち取るためにも、この組織には、どんな個人的なことよりも優先させることがある。だからジョー(・マドン)に決めたんだ」

メジャーで大流行の「シフト守備」を始めた策士。

 マドン氏と言えば、米球界屈指の名将として広く知られ、知的で温厚な性格もあり、選手やスタッフからの信頼も厚い。'06年から指揮を執ったレイズでは、低予算のチームながら9年間で6回勝ち越し、'08年にはワールドシリーズ進出を果たした。機動力を駆使した「スモール・ベースボール」を基本とし、近年大流行している「シフト守備」を始めた策士としても知られる。戦略、戦術とも、これまでのカブスとは劇的に変化すると見られ、球界内では早くも「最大の補強」と言われている。

 新監督招聘に先駆けて、施設整備にも着手した。米国では2番目に古い本拠地リグレー・フィールドを、今オフから4年間にわたり、総額575億円をかけて大改装し始めた。

 古豪復活なるか――。

 カブスの本気度が、例年以上であることは間違いない。

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