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<激白、ワールドシリーズの激闘> 青木宣親 「次は必ず、 モノにしますよ」 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byYukihito Taguchi

posted2014/11/25 11:30

<激白、ワールドシリーズの激闘> 青木宣親 「次は必ず、 モノにしますよ」<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi
なかなか一本が出ず、スタメン落ちも経験した。
あと一歩、届かなかったワールドチャンピオン。
苦闘の日々、そして新たな決意を率直に語った。

 本当に、優勝したかった。ワールドシリーズの舞台で。

 スプリング・トレーニングの時からそのつもりで準備してきたし、心の底から優勝チームの一員になりたかった。すぐそこに頂点が見えていて、自分のなかでも期待が膨らんでいたぶんだけ、その反動も大きいですね。

 自分にも優勝を引き寄せるチャンスはありました。第7戦、1点リードされた5回裏、ジャイアンツはMVPを獲ったバムガーナーを出してきた。レギュラーシーズンの対戦成績は13打数ヒットなし。ワールドシリーズ第1戦でも抑えられてましたけど、苦手意識はまったくない相手でした。自分のポイントで打てるのに、野手の正面をついてしまう――いつもそんな感じだったんです。

第7戦、レフト線への一撃で同点だと思ったら……。

 5回裏は1死二塁の場面。4球目、レフト線にライナーが飛んだ時は「よしっ、同点だ! 二塁打だ」と咄嗟に思いましたよ。

 でも、網を張られていました。ふつう、レフトがあれだけライン際に守ることは考えられない。研究されてたんです。あれが抜けていれば……。思い返すだけでも悔しいですね。

 それでも9回2死からゴードンにヒットが出て、今までミスがなかったジャイアンツの守備に乱れが出た。センターが後逸して、レフトまでクッションボールの処理を誤って、ゴードンが三塁まで進んだ時には「これは、来たあ!」と思いましたよ。今年はやっぱりロイヤルズが勝つ運命なんじゃないか、そう思ったくらいです。

 そこで打席に立ったのがペレス。実はペレスは2回裏に膝に死球を食らって、ほとんど膝が曲がらない状態でした。試合の途中にクラブハウスで治療を受けて、ものすごいうめき声が聞こえてた。本当に痛かったと思います。だからこそ自分の持ってる力をペレスにすべて送りたかった。でも、届きませんでした。

アスレチックス戦の大逆転は高校野球みたいだった。

 ロイヤルズは本当にいいチームでした。そう思えるのは、選手みんなで頑張って、ワールドシリーズまで勝ち上がったという気持ちがあったから。

 ワイルドカードのアスレチックス戦で、8回表が終わって7対3とリードされてたのに、そこからひっくり返せたのが大きかった。この試合は生涯忘れることができないベストゲームかもしれません。ふつう、逆転できないですよ。表現は悪いけど、意外性にあふれてて、高校野球みたいな展開だった。9回に自分の犠飛で同点に追いついて、12回表に1点取られて、でもその裏にまたひっくり返すって、常軌を逸してるでしょ?

【次ページ】 全てが噛み合ったからポストシーズン8連勝があった。

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