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7000万人が熱狂する、ある“競技”。
ゲームはスポーツになれるのか? 

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posted2014/10/27 10:30

7000万人が熱狂する、ある“競技”。ゲームはスポーツになれるのか?<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

収容人数66000人を超えるソウルワールドカップスタジアムで行なわれた「League of Legends」の世界大会決勝戦。アメリカ、ヨーロッパなど世界中からファンが押しかけた。

アメリカでは、選手にプロアスリート用のビザが。

 日本ではまだ「暇つぶし」、「子供の遊び」という印象が根強いゲームだが、欧米やアジア諸国では「eスポーツ(e-sports)」と呼ばれ、プロプレーヤーはプロスポーツ選手であるという認識が一般的になりつつある。

 昨年のLoLの大会では、アメリカ政府がプレーヤーにプロアスリート用のビザを発給し、公的にもゲームがプロスポーツとして認められたことが話題になった。

 常人には不可能な卓越した技術、日々の練習が可能にする5人のコンビネーション、そして見るものを熱狂させるエンターテイメント性など、いまやゲームはプロスポーツの要素のほぼ全てを兼ね備えた“競技”なのだ。

 大会に限らず、日常的にも国境をまたいでプロチーム間で選手の移籍が行なわれ、とりわけ北米にはヨーロッパ、韓国などから多くの選手が移住し、プロとして活動している。

選手の年収は1億円を超えることも!

 プロチームと言っても、彼らは大会の賞金だけで活動しているわけではなく、多くの場合、サッカークラブなどと同じように企業がスポンサーに付いている。

 2014年の世界王者「SAMSUNG WHITE」は、その名のとおりSAMSUNGのスポンサードを受けた韓国の強豪チームだ。他にもコカ・コーラや北米日産、ASUSなどの大企業や、珍しいところでは米空軍がスポンサーとなっているアメリカのチームも存在する。

 スポンサー料以外にも、ゲーム動画を配信することで広告料を得たり、グッズを販売したり、ファンから直接の寄付を募ったりすることが、プロチームの主な収入源となる。

 その資金でゲーミングハウスと呼ばれる家を借り、PCなどを用意して共同生活を送るというのが、一般的なプロ選手たちの生活スタイルだ。

 裕福なチームでは選手の年収が1億円を超えることも珍しくなく、大会で好成績を残せばその額はさらに跳ね上がることになる。

【次ページ】 日本でeスポーツの普及が遅れた理由は?

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