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名主将ジーターの引退は一つの時代の終焉なのか。
~イチローも絶賛した存在感、言動~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2014/10/20 10:30

名主将ジーターの引退は一つの時代の終焉なのか。~イチローも絶賛した存在感、言動~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

ジーターの引退セレモニーには、カル・リプケンやマイケル・ジョーダンら、豪華な顔ぶれが揃った。

 メジャーを代表するスーパースター、デレク・ジーターが、現役を引退した。1995年にメジャーデビューして以来、ヤンキースひと筋20年。本拠地ヤンキースタジアムで最後の試合となった9月25日のオリオールズ戦では、9回裏、劇的なサヨナラ安打を放つ離れ業を演じ、自ら幕を引いた。超満員のファンから割れんばかりの拍手を受けたジーターは、試合後、慣れ親しんだ遊撃の定位置で祈りを捧げ、別れを告げた。

「ほとんど泣きそうだった。ヤンキースの遊撃手になることが5~6歳の頃からの夢だった。その夢が終わるということ。多くの人にこんなチャンスがあるわけではないからね」

 メジャー歴代6位の通算3465安打、ワールドシリーズ制覇5回、オールスター出場14回など輝かしい経歴だけでなく、傑出したリーダーシップを持つ「キャプテン」として、野球ファン以外からも愛され続けた。黒人の父と白人の母を持つこともあり、人種を問わず、尊敬された。甘いマスクと礼儀正しい言動で人気を集め、スポーツ界全体でも「ロール・モデル(模範)」とされてきた。同僚のイチローが「ありのままの人。やることと言うことが伴っている。だから人の心が動く。この人に関しては、欠点がないのが欠点」と絶賛の言葉を並べるほど、その存在感は特別で、際立っていた。

ジーターの代わりは誰にも務まらないとの見方が多数。

 ジーターの引退は、単なる一選手を欠くというだけではない。過去20年間、ヤンキースが常に優勝争いに加わってきたのも、ジーターがグラウンドの内外で規律を正し、チーム内を統制してきたからと言っても過言ではない。時には厳しく注意することさえ厭わないキャプテンの言葉は、ある意味でGMや監督よりも重みがあり、説得力に満ちていた。

 米メディアの中には、次のキャプテン候補を探す声がある一方で、ジーターの代わりは誰にも務まらないとの見方が大勢を占める。現時点で、ルース、ゲーリッグ、ディマジオらのレジェンドとほぼ同等に評価されるだけに、その空洞がそう簡単に埋まるはずもない。

 ジーターの引退は、一時代の終焉を意味するのか――。

 今季、2年連続でプレーオフ進出を逃したヤンキースにとって、チーム再建への道は、決して平坦ではない。

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