Sports Graphic NumberBACK NUMBER

<スペインでの理想と現実> ハーフナー・マイク 「自分に必要なのはFWとしてのエゴ」 

text by

工藤拓

工藤拓Taku Kudo

PROFILE

photograph by

posted2014/10/10 11:30

開幕初戦でリーガ最強のクラブと戦った男は、
世界の壁の高さをどう感じとったのか。
新天地スペインで考えたストライカーとしての
課題と目標、そして日本代表への想いを語る。

 史上稀に見る大混戦となった昨季のスペイン2部リーグ最終節で7位に滑り込み、4~6位の3チームを抑えてプレーオフを制し、42年ぶりに1部昇格を成し遂げる。それは良く言えば奇跡、失礼を承知で言えば事故のような昇格劇だった。

 その後の2カ月間、フロントは1部残留を唯一無二の目標に掲げ、金がないためレンタル移籍と移籍金ゼロの選手に的を絞り、昨季ミラクルを起こしたチームを8割がた解体した上で16人の新戦力をかき集めた。

 オランダのフィテッセからハーフナー・マイクが加入したコルドバCFは、簡単に説明すればそんなチームである。

 そして、そんなコルドバがCL王者レアル・マドリーと開幕戦から対戦し、意外と善戦したりするのがリーガ・エスパニョーラの奥深いところである。

セルヒオ・ラモス、ペペに脅威を与えたが……。

 この試合で先発デビューを果たしたハーフナーも、その奥深さを実感した一人だ。何せ4節終了時点において、チームも自身もベストパフォーマンスを見せたのがこのレアル・マドリー戦だったのだから。

「3回連続で競り負けたことは今までなかったんですけど、(CBの)セルヒオ・ラモスは競り合いがすごい強かった。ペペには多分、全部勝ったんですけど。でも途中から、先に体をぶつけてからボールに行くってのをやりだしたら、その後は全部勝てた。身体能力も全然違いますし、やっぱ世界一のチームなんで、世界一の選手が揃っている。それを体感できたことは良かったですし、プラスになったと思っています」

 ワールドクラスのセンターバックコンビを相手にも十分通用した194cmの高さは、見る側にも今後へ向けた希望を抱かせるものだった。だが後から考えると、この試合で2度のチャンスを手にしながら初得点を挙げられなかった代償は大きかった。その後の試合ではシュートを打つ機会すらなくなってしまったからだ。

【次ページ】 3戦連続無得点で、自分の良さを全然出せていない。

1 2 3 NEXT
1/3ページ

ページトップ