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ペーニャの激怒が暗示していた結末。
オリックス、SBとの差は走塁意識? 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/10/07 10:30

ペーニャの激怒が暗示していた結末。オリックス、SBとの差は走塁意識?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

30本を超える本塁打を放ったペーニャだが、実は盗塁も決めている。単純な走力は低いが「一つでも先の塁を」という意識はとても高い選手だ。

 今にして思えば、感情を露わにしたペーニャの激怒は、一つの暗示だったのかもしれない。

 5月17日、ソフトバンク戦のことだ。

 同点で迎えた11回裏、1死一塁で右翼前安打を放ったオリックスのペーニャは、一塁ベース上でチームメイトに向かって激高していた。怒りの矛先は、ペーニャの右翼前安打で二塁にとどまった、消極的な走塁をした原拓也に向けられたものだった。結果的に、この試合は12回裏にサヨナラ勝ちを収めたが、ペーニャの主張は十分に理解ができた。

 ソフトバンクがパ・リーグを3年ぶりに制した。

 10月2日に行なわれた首位・ソフトバンクと2位オリックスの最終決戦は、延長10回2-1でソフトバンクが勝利し、ペナントレースの決着をみた。いかに、両者の力が拮抗していたか。熱戦のあと、勝者が歓喜し、敗者が落胆する様子からはその勝敗が紙一重のものであったことがうかがい知れた。

激増した盗塁の一方で、甘さが残る場面も。

 それでは、これだけ力が拮抗していた両者の間にあった差とは、いったい何だったのか。

 決着は最終決戦でついたが、この対戦に至るまでの過程の中に、実はオリックスがソフトバンクを追い越せなかった要素はいくつかあったように思う。

 あの試合を落としていなければ……。

 あの1点が、あの1球が……。

 直接的な敗因ではないにしても、走塁が明らかにオリックスにとって課題であったように思う。

 今シーズンのオリックスは、「一つでも先の塁を奪う」という目標を掲げ、走塁の意識改革を行なってきたというのがもっぱらの評判だった。昨季の84から125に増えた盗塁数だけを見れば、確かにオリックスの走塁改革は進んでいるように思える。

 しかし、走塁は盗塁だけではない。走塁についての意識が高まっているか否かは、一つの数字だけでは評価できないのだ。今季でさえ、オリックスには走塁について甘さを感じる場面がいくつもあったのだ。

 そのうちの一つが、先述したペーニャが激怒したシーンだ。

【次ページ】 1死二塁からの中前安打で駿太がホームを踏めず。

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