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米マイナーに、7億円の黒字球団!?
日本の二軍と全く違う経営方法とは。
posted2014/10/06 10:30
text by
並木裕太Yuta Namiki
photograph by
AFLO
14億円
(マイナーリーグ、サクラメント・リバーキャッツの年間売り上げ)
長いレギュラーシーズンの戦いを終え、メジャーリーグ(MLB)はポストシーズンの季節を迎えましたが、これより一足早い9月中旬にシーズンの全日程を終えたのがマイナーリーグです(MiLBと表記します)。
今回は、このMiLBの実態について、元選手の体験談を交えながら解説したいと思います。
まずは全体像の整理から。MLBの傘下リーグであるMiLBは、上から順に「3A(トリプルA)」「2A(ダブルA)」「アドバンスドA」「1A(シングルA、クラスA)」「ショートシーズンA」「ルーキー・アドバンスド」「ルーキー・リーグ」の7つの階級に分かれています。
さらにそれぞれが複数のリーグに分かれていて、全て足すと19リーグ(ただし3AのメキシカンリーグはMLBの傘下協定に入っていない)、総チーム数は243を数えます。
「3Aまで行くと“ちょっと稼ぎのいいサラリーマン”」
それではここで元選手の1人目、橋本知周さんに登場していただきましょう。橋本さんは明治大学在学中の1996年に海を渡り、オークランド・アスレチックス傘下、ルーキー・リーグのアリゾナリーグ・アスレチックスに捕手として入団。2Aまで昇格を経験した後、アメリカの独立リーグを経てサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下3Aのフレズノ・グリズリーズでプレーしました(グリズリーズは、来季よりヒューストン・アストロズの傘下となる)。
「ルーキー・リーグの時は契約金が5000ドルで、給料はだいたい月800ドル。野球に必要な用具はほとんど支給されますし、ずっと遠征が続くので住むところや食事の心配をすることはありませんでしたね。3Aまで行くと給料も上がって……まあ、“ちょっと稼ぎのいいサラリーマン”並みにはなっていたと思います」