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MLSの観客動員力。
~シアトルで平均4万人超の理由~ 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byGetty Images

posted2014/08/29 10:40

MLSの観客動員力。~シアトルで平均4万人超の理由~<Number Web> photograph by Getty Images

W杯では2006年のドイツ大会から出場、3大会連続ゴールを決めているクリント・デンプシー。8月6日に行なわれたオールスター戦にも出場している。

 サッカーW杯は世界各国のサッカー事情を理解する機会でもあったが、今回、決勝トーナメントに残ったにもかかわらず、日本ではそれほど報道されなかった国の一つが米国ではないだろうか。グループリーグはG組で、ガーナに勝利、ポルトガルと引き分け、ドイツには0-1で敗れたものの、1勝1分1敗で決勝トーナメントに進出した。その後はベスト16でベルギーに延長の末、1-2で敗戦。'02年日韓大会と並ぶベスト8進出はならなかったが、粘り強い戦いぶりで、観衆には強い印象を残した。

 米国の国内でも注目度は高まった。ポルトガル戦は東海岸時間の午後6時キックオフと時間帯がよかったこともあって、テレビ中継は、W杯史上米国では最高となる2470万人が見たという。NBAファイナル「スパーズvs.ヒート」戦が平均1550万人だったのだから、W杯への関心の高さが分かる。

 ただ、2470万人というのはスポーツ専門のケーブルテレビ局「ESPN」が1820万人、スペイン語放送の「ユニビジョン」が650万人で、この二つを合計したものだ。サッカー人気の高い中南米のスペイン語圏から米国に来て、英語よりスペイン語で生活している人々が、米国におけるサッカー人気上昇の背景になっていることは間違いない。

W杯決勝と同日に行なわれた試合では6万4207人の観衆が!

 それでも、自国開催だった'94年大会より今回のほうがテレビ視聴者は多かったのだから、注目度は向上した。それは、国内リーグであるメジャーリーグサッカー(MLS)の観客動員にも表れている。

 W杯の決勝が行なわれた7月13日、MLSでは「シアトル・サウンダーズvs.ポートランド・ティンバーズ」戦が行なわれ、今季最多の6万4207人という大観衆を集めた。会場はNFLシーホークスの本拠地でもあるセンチュリーリンク・フィールド。試合開始時間はW杯決勝の7時間後だったから、時間的に重なってはいなかったものの、同じ日に国内リーグの試合を組むこと自体、世界的にもほとんど例がなかったはずだ。

 サウンダーズはMLSきっての人気チーム。加盟したのは'09年の新しいチームだが、この年、ホーム1試合平均で3万897人と、MLSの中で唯一、平均3万人を超える観客を集めた。その後は毎年、観客を増やし続け、昨年は史上最多の平均4万4038人を記録した。

【次ページ】 NBAチームの移転、マリナーズの不調も影響している?

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