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日本一のトレラン大会をつくれ!
100マイルレースの舞台裏 <後編> 

text by

山田洋

山田洋Hiroshi Yamada

PROFILE

photograph byToshiya Kondo/Hiroshi Yamada

posted2014/08/22 11:00

日本一のトレラン大会をつくれ!100マイルレースの舞台裏 <後編><Number Web> photograph by Toshiya Kondo/Hiroshi Yamada

169kmという距離、険しい山道。UTMFはランナーだけではなく、運営側にもタフさが要求される大会だ。

 日本最大の大会であり、世界各地からも選手が集うウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)。

  その舞台裏の取材を通じて、トレイルランの大会運営に携わる様々な陰の役割にスポットライトを当てると同時に、このスポーツのあるべき姿と未来について考えてみたい。

  ボランティア班と映像制作班についての前編に続き、後編では海外選手の受け入れを担当した団体と運営本部、それぞれのキーマンの話を聞いた。

 今年3回目を迎えたUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)には、合計400名を超える外国人ランナーが参加した。すっかり日本を代表する国際レースになったのだが、外国人ランナーの受け入れには、どんな苦労があったのだろうか。

 参加した400名の外国人ランナーのうち150名をサポートしたのが、小原久典さん率いる「Avid Adventures Japan」、通称アビドだ。普段は「アドベンチャーディバズ」という会社で日本人向けのアウトドアイベントを企画している小原さんは、第1回大会から英語のできるボランティアスタッフとともに外国人ランナーのサポートを引き受けている。

「外国人ランナーのほとんどは口コミで集まっています。第1回大会では40人弱だったんですが、それがどんどん増えまして。今年は30人で対応したんですけど、スタッフの中にはオーストラリア人や韓国人もいて多国籍になりましたね」

 UTMFでは具体的にどういった仕事をしたのだろうか?

「宿と交通手段の手配です。富士河口湖の民宿組合と提携しています。第1回大会では1カ所の民宿で済んだんですけど、回を重ねる毎に増えていて、今年は11カ所にもなったんです。旅行代理店みたいなイメージでしょうか。移動も、初めてきた人が空港から河口湖まで来るのはけっこう大変ですからね」

1回目は1人、2回目は奥さんと、3回目は子どもを連れて。

 東京・箱崎にある東京シティエアターミナルから河口湖まで直通バスをチャーターして、外国人ランナーを運ぶ手配も行なったという。

「今年は家族連れの方が多くて、総勢200名を超える方たちのお手伝いをしました。第1回は1人で、2回目は奥さん同伴で、今年は子どもを連れてきた、という選手もいますよ」

エイドで笑顔をみせるアビドのスタッフたち。

 レース中は家族向けの専用応援バスをチャーターするとともに、エイドステーションを回ってランナーが望むフードを用意したり、コースの説明、着替えの提供などのサポートを行なっている。このサポートは、選手からも大好評だった。

「レース中のサポートはオプションというか、ボランティアなんです。今年は6カ所でそれぞれ5人前後のチームを固定で組んで、150人分の選手をサポートしました。長い所では30時間以上もいたチームもありました。サポートはおまけなんですけどね(笑)」

【次ページ】 アレルギーから宗教的な問題まで、不安をサポート。

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