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苦労人の進撃と王者の安定。
~サイ・ヤング賞の大穴と本命は~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2014/08/14 10:40

苦労人の進撃と王者の安定。~サイ・ヤング賞の大穴と本命は~<Number Web> photograph by Getty Images

8月9日のヤンキース戦でも快投を見せ、13勝目を挙げたインディアンスのクルーバー。2007年にパドレスに4巡目指名で入団し、2010年にインディアンスにトレードで移籍した。

 デレク・ジーターがホーナス・ワグナーの通算安打記録(3430本)を超えた。イチローもジョージ・シスラーの通算安打記録(2810本。2812本という説もある)を超えた。

 2014年8月9日のヤンキー・スタジアム。だが、この日の主役はジーターやイチローではなかった。対戦したインディアンスの投手コーリー・クルーバーが、両者の内野安打を含む4安打1四球を許しながら6イニングスを無得点に抑え、13勝目をあげたのだ。奪った三振は10個。最終的なスコアは3対0。

 これで今季、クルーバーは2桁奪三振試合を7度も記録した。インディアンスでは、1976年にデニス・エカーズリーが1シーズン8度の2桁奪三振を達成して以来の快挙だ。しかし、あのクルーバーが……。

今季、突然快投を続けている苦労人・クルーバー。

 1986年4月10日生まれだから、クルーバーはすでに28歳だ。昨'13年こそ11勝5敗、防御率3.85の成績を残してインディアンス先発ローテーションの一翼を担ったものの、それまではまったく目立たない存在だった。メジャーに昇格した2011年から'12年までの2年間を見ても、67回3分の1を投げて2勝5敗で自責点が40(防御率5.35)。お世辞にも立派な成績とはいえない。

 そんな苦労人が今季突然、いや、正確にいうとオールスター・ブレイクを境に、驚くような快投を見せている。

7月19日:対タイガース(ロード)
投球回数8回3分の2、被安打7、与四球1、奪三振10、自責点2、勝利投手。

7月24日:対ロイヤルズ(ロード)
投球回数9回、被安打2、与四球0、奪三振10、自責点0、勝ち負けなし。

7月30日:対マリナーズ(ホーム)
投球回数9回、被安打3、与四球0、奪三振8、自責点0、勝利投手。

8月4日:対レッズ(ホーム)
投球回数7回3分の1、被安打6、与四球2、奪三振7、自責点1、勝利投手。

8月9日:対ヤンキース(ロード)
投球回数6回、被安打4、与四球1、奪三振10、自責点0、勝利投手。

【次ページ】 制球難を克服し、サイ・ヤング賞を視野に捉えるまでに。

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