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女子七種競技の新星・ヘンプヒル恵。
東京五輪を視野に、まずは高校制覇。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2014/08/17 10:40

女子七種競技の新星・ヘンプヒル恵。東京五輪を視野に、まずは高校制覇。<Number Web> photograph by AFLO

高校総体ではハードスケジュールをこなしながら、最後の800mも自己ベストを更新するという底知れないポテンシャルを見せたヘンプヒル恵。

 2020年に東京でオリンピックの開催が決まったことは、若い世代の選手たちの意識に、確実に影響を及ぼしている。自ら夢、目標と定めることもあれば、周囲からの言葉によって意識するようになることもある。

 東京五輪を視野に収める年代と言えば、今の高校生たちもそうだろう。7月末から、全国高校総体が行なわれている。出場選手の中にも、東京五輪について尋ねられ、抱負を語る姿があった。

 そんな中でも目を引いたのが、陸上のヘンプヒル恵(めぐ)だった。

 アメリカ人の父と日本人の母を持つ京都文教高校3年生。七種競技と100mハードルを得意とするヘンプヒルは、大会前から陸上関係者の注目を集める1人となっていた。

 6月上旬の日本選手権100mハードルでは社会人や大学生選手に交じって3位と健闘。6月下旬に行なわれた高校総体近畿地区予選の七種競技でも好記録で優勝し、臨んだのが高校総体だった。ちなみに七種競技とは、100mハードル、走り高跳び、砲丸投げ、200m走、走り幅跳び、やり投げ、800m走を行ない、それぞれの記録をポイントに換算し、その合計点で争う種目だ。

総体でジュニア日本記録を更新、100mハードルでも優勝。

 高校総体に臨んだヘンプヒルは、8月1日と2日の2日間にわたって行なわれた七種競技で難なく優勝を手にした。得点は5519。従来の高校日本記録5384点を大幅に上回り、12年ぶりに新記録を達成したばかりか、ジュニア日本記録(20歳未満)の5404点をも大きく更新。それは日本歴代8位となるものでもあった。

 七種競技を制したヘンプヒルは、翌3日の100mハードルでも優勝し、2冠を達成した。

 それにしても驚くばかりだ。実はヘンプヒルは、この2種目のみエントリーしていたわけではない。4×100mリレー、4×400mリレーにも出ていたのだ。

 整理すれば、7月30日に4×100mリレー予選。7月31日に4×100mリレー準決勝。8月1日は七種競技のうちの4種目。2日には七種競技の残り3種目と4×400mリレー予選。3日は4×400mリレー準決勝と決勝、100mハードル予選・準決勝・決勝。これだけこなすのだから、種目ごとの間隔がほとんどないような状態のときもあった。タイトなスケジュールでの成績であったのだ。

 競泳でも萩野公介が多種目を泳ぐことで話題を集めてきた。むろん、国際大会の決勝レベルで複数のレースを泳ぐ萩野と単純に比較はできないが、思わずそのマルチぶりを連想させる。

【次ページ】 9連覇王者・中田有紀の後継者としての期待。

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