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GMたちが腕振るう、夏の移籍市場が熱い。
~動き始めたMLB各球団の思惑~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2014/07/21 10:30

GMたちが腕振るう、夏の移籍市場が熱い。~動き始めたMLB各球団の思惑~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

サマージャ(左)はアスレチックス入り直後、7回1失点で勝利投手となり、チームに貢献。

 メジャーの公式戦が後半戦に入った途端、各球団のトレードへの動きが慌ただしくなってきた。ア・リーグ西地区首位を走るアスレチックスが、カブスからサマージャ、ハメルの先発2枚看板を獲得、とのニュースが全米中を駆けめぐった直後、ダイヤモンドバックスの救援左腕サッチャーがエンゼルスへ移籍。パズルのピースの一部が動き始めたことで、そこまで水面下に沈んでいた各球団の思惑が、一気に表面化した。

 7月6日には、ヤンキースがダイヤモンドバックスから先発右腕マッカーシーを獲得。サマージャの移籍交渉がまとまらないと見るや、すぐに方針を転換し、間髪入れずに次の手を打つという早業だった。その後、田中将大が右ひじ靭帯の部分断裂で故障者リスト入り。先発投手の台所事情は現状も厳しい。

 プレーオフ進出を目指す上で、各チームの姿勢が問われるのが、7月31日のトレード期限までの補強策と言われる。不足したピースを埋め、戦力アップを図る買い手に対し、若手の有望株を得て、来季以降のチーム再建を目指す売り手。この時期、各球団GMの携帯電話は、昼夜を問わず、鳴りっぱなしだという。

イチロー、和田ら日本人選手にも影響が。

 もっとも、移籍市場は動き始めたばかりで、期限ぎりぎりまで各球団間の駆け引きは続く。メッツのアルダーソンGMが「我々にとってプラスに働くのであれば躊躇しない」と言えば、ヤンキースのキャッシュマンGMも「動き回る準備はできている」と、積極的な姿勢を隠そうとはしない。

 各チームの動きが、日本人メジャーにも影響を与えるケースは少なくない。ソリアーノを解雇したヤンキースでは今後、イチローがほぼ毎試合で先発出場することが確実となった。先発枠の空いたカブスでは和田がメジャー初登板を果たすなど、良くも悪くも、移籍余波は避けて通れない。ヤンキース黒田が「勝たないといけない。勝つためにチームが動き出したわけですから」と言うように、選手のモチベーションにも関わってくる。

 アストロズのトレード計画を含む機密文書がハッカーによって流出する事件があったとはいえ、その程度で補強の手を緩めるようなメジャー球団ではない。暑さが増す「ミッドサマー」こそ、各GMにとって腕の見せどころと言える。

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